ここにご紹介するクルマは、筆者がその昔乗っていたものである。スカイラインGC-10、愛称ハコスカは、クルマ好きの人間なら誰でも知っている。筆者が免許を取得して初めて乗った車は、ケンメリのスカイライン、それも2ドアHTという、当時暴走族が好んで改造したタイプだった。このハコスカはその後に入手したもので、格安店にて現状販売のものを購入した。 外装はオールペン済みであったため、一見程度が良さそうな個体に見えたのだが、これが大きな間違いであった。機関はかなりヤレており、相当手を入れないと安定して乗れないくらいくたびれていた。何とか騙し騙し乗っていたものの、キャブが完全に逝ってしまい、かなりの出費を強いられた時点で、手放すことを決意した。 予算的に余裕が無かったため、程度としては下であったが、やはりハコスカはハコスカである。端正でストイックなデザインは大変気に入っているし、重厚感のある走りも良い。古風な3本スポークのハンドルの奥に見える、6つの丸いアナログメーターなど、現代の車では絶対に味わえない雰囲気を醸し出している。余裕が出来たら、今度はきちんと整備された個体を購入しようと考えている。以下、ハコスカの紹介も兼ねて、筆者が乗っていた車の写真を掲載する。 |
1965年5月31日、プリンス自動車工業は、日産自動車に吸収合併された。スカイラインは、日産自動車に移った後、1968年7月にフルモデルチェンジされ、3代目に移行した。最初に登場したモデルは、C10型と呼ばれる1500ccの車種であり、箱型の端正なデザインを採用したところから、箱スカの愛称で呼ばれるようになった。スカイラインの特徴となるサーフィンラインを採用したのも、このC10型からであった。 C10型の登場2ケ月後に、2000GTであるGC10型が登場する。GC1 型から、セミトレーディングアーム+コイルのリア独立サスペンションが採用された。GC10のエンジンには、セドリックに使用されていた水冷直列6気筒SPHCユニット、L20が用いられる。当初このエンジンのスペックは、最高出力105PS、最大トルク16.0kg-mであったが、その後性能の向上が図られ、120PS、17.0kg-mを発揮するようになった。さらに、モデル末期の 1971 年 9 月には、200GT の上位機種である、ハードトップの 2000 GT-X、KGC10TK 型が発売され、従来のシングルキャブレターを日立製SU型ツインキャブレターに変えることで、130PS、17.5kg-mにまでスペックアップされている。 ここに紹介する日産スカイラインGC10型は1970年12月に登録されたものであり、前進4速のミッションを実装する2000GTである。以下に主要スペックを示す。
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モデル | |
生産時期 | 1970.10 〜 1972.8 |
車輌形式 | GC10 |
全長×全幅×全高 (mm) | 4430×1595×1390 |
ホイールベース (mm) | 2640 |
トレッド前/後 (mm) | 1325/1320 |
車輌重量 (kg) | 1090 |
エンジン | |
型式 | L20 |
形式 | 水冷直列6気筒SOHC |
ボア×ストローク | Φ78.0 ×69.7 mm |
総排気量 (cc) | 1998 |
燃料供給 | 2バレル・シングル・キャブレター |
圧縮比 | 9.0 : 1.0 |
最大出力 | 120 PS / 6000 r.p.m. |
最大トルク | 17.0 kg-m / 4000 r.p.m. |
トランスミッション | |
形式 | 4段M/T |
変速比 1速 | 3.592 |
2速 | 2.246 |
3速 | 1.415 |
4速 | 1.000 |
最終減速比 | 3.90 |
ステアリング | |
形式 | リサーキュレーティング・ボール |
サスペンション | |
フロント | マクファーソン・ストラット +コイル/スタビライザー |
リア | セミトレーディング・アーム +コイル |
ブレーキ | |
フロント | ディスク |
リア | ドラム |
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