■ NEC PC-98版Windows Ver1.0とDOS Ver3.1 ■

１．NEC PC-98版Windows Ver1.0　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　これはもう、骨董品といって良いのではないだろうか？NEC PC-98版 Windows 
Ver1.0である。５インチFD媒体２枚で供給され、媒体シールには下記の表記が記
載されている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　NEC PC-9800シリーズSOFTWARE LIBRARY 　　　　　　　　　　　　　　　　
　　MS-WINDOWS SETUP DISK #1　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　PRODUCT ： PS98-501-HMW 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　VERSION ： 1.0　　SERIAL NO ： 2-3N57-34373 　　　　　　　　　　　　
　　ID ： 136-911113-680-A　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　製造は1986年。NECは1985年のPC-9801VM発売後、1986年にはCPUに80286を搭載
したPC-9801VXをリリースしており、98アーキテクチャー絶頂期の頃の製品であ 
った。因みに、本家Microsoft社は1985年にMS-Windows Ver1.0をリリースしてお
り、NECはその翌年の発売となっている。　　　　　　　　　　　　　　　　　 

　媒体は５インチFDで２枚構成。Windowsのファイルは圧縮されておらず、セッ 
トアップを実行すると単純にFDのファイルをHDDにコピーする。ファイル数は、 
DISK #1が29個、DISK #2が20個と、現在のWindowsと比較すると恐ろしいほど少 
ない。最も、このバージョンのWindowsはウィンドウもオーバーラップできずタ 
イル表示となっており、起動後は利用可能メモリが極端に少なくなってしまい、
さらに対応するアプリケーションが全くと言って良いほど無いため、実用とはほ
ど遠いものであった。実際にPC-9801にインストールしてみたいところなのだが 
現在ではWindows XP上でも動作するPC-9801エミュレーターという便利なものが 
あるため、その上で起動させてみた。因みに使用したエミュレータは「T98-Next
」と呼ばれる定番に近く有名なフリーソフトだ。　　　　　　　　　　　　　　

２．NEC PC-98版 MS-DOS Ver3.1　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　PC-9801シリーズで一般的となったDOSはVer3.30Bからであったが、これはそれ
以前に発売されたDOS Ver3.1である。Ver 3.1が発売されたのは1985年10月。こ 
れ以降、1988年秋にVer 3.3が発売になるまで、バージョン番号には変更が生じ 
なかったものの、同じVer 3.1でもマイナーな修正が数回加えられている。ここ 
い掲載したものは、製品番号PS98-127で、日本語変換機能に「連文節変換」が搭
載され、さらにHDDからの起動メニューが追加されたものである。媒体FDは１枚 
構成。ラベルには下記の表記がある。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　NEC PC-9800シリーズSOFTWARE LIBRARY 　　　　　　　　　　　　　　　　
　　MS-DOS　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　PRODUCT ： PS98-127-HMW 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　VERSION ： 3.1　　SERIAL NO ： 2-3H57-31774 　　　　　　　　　　　　
　　ID ： 136-910705-680-A　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　翔泳社のムック「PC-PAGE：僕らのパソコン10年史」によれば、この時期NECが
発売したMS-DOSのバージョンは、マイナーバージョンを含めて下記のように変遷
している。