日本万国博覧会記念品。直径14cm程度の大きさの「太陽の顔」である。言わずと知れた岡本太郎画伯の作品。万国博覧会でテーマ館であった「太陽の塔」の壁面に描かれた顔である。財団法人日本万国博覧会協会の証紙付き。製造は近江化学陶器株式会社である。テーマ館である「太陽の塔」は、万国博覧会でも最も人気の高かったパビリオンで、筆者も2時間以上行列して入場した記憶がある。塔の内部には「生命の樹」なるモニュメントがあった。確か最近になって、この「太陽の塔」の内部を見学するイベントが、完全予約制で実施されたはずである。
さて、この信楽焼の太陽の顔であるが、過去・現在・未来の3つの顔のうち、最も高価だったのが、純金焼き付けされた未来の顔であった。ケースにも「純金焼付 永久保存」のシールがわざわざ貼付されている。バラ売りもされており、比較的お求めやすい過去と現代の顔が良く売れたような記憶もある。
造形的に最も好きなのは、やはり過去の顔であろう。太陽の塔では背面に位置していた。未来の顔は、目からサーチライトの光が出るような構造になっていた。会期中、過激派だったか単なる変人だったかがこの未来の顔の目の部分に登って籠城したという事件があった。この時はサーチライトは片目しか点灯されなかった記憶がある。
同封されている説明書には、岡本太郎画伯の当時の言葉が記されている。
太陽は人間生命の根元だ。惜しみなく
光りと熱をふりそそぐ、この神聖な核。
われわれは猛烈な祭りによって太陽と交歓し、
その燃えるエネルギーにこたえる。
EXPO'70シンボルゾーンの中心に、
祭りの神格として「太陽の塔」を
そびえたたせたゆえんである。
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