株式会社浦沢商会が発売したMT管式3球ラジオキット、MAX RK−3型 である。この製品は筆者が小学校6年生の時、すなわち1971年に秋葉原にて 購入し組み立てたものだ。しかし、このような骨董品をまだ保管しているとは、 我ながらあきれるくらい物持ちが良い。当時付けていた日記によれば、このキッ トは定価2,500円だったそうだ。その頃の物価からすれば、かなり高かった と思われる。しかし、良く考えてみると、小学校6年生の日記がまだ残っており そこにラジオキットの定価まで書いてるというのは、当時から結構筆者は記録魔 だったようだ。そんなことはどうでも良い。なお、本キットの取り扱い説明書と キットに使用されている、かの有名なトリオの並四コイルの取り扱い説明書も出 てきたので、掲載しておこう。下記リンクをクリックしてもらいたい。 ・MAX RK−3型並三球ラジオキット 取り扱い説明書 ・トリオ 並四コイル 取り扱い説明書
このラジオキットは、MT管を使用した並三球ラジオとしては典型的な構成で 検波管に6BD6、出力管に6AR5、整流管に5MK9を使用している。感度 を増加させるための再生検波方式を採用しており、メインとなる同調バリコンの 他に、50PF程度の豆コンと呼ばれている副同調装置が付いているところが、 いかにも懐かしい構成だ。使用している真空管は、検波管がNEC製、残りの2 本は東芝製であった。 アルミシャーシはLEAD製4号で加工済みのもの。MT管とST管の両方に 対応している。電源トランスは「FUJITAKE」製で、230V、6.3V 5.0V出力のもの。コイルはトリオの並四コイルを使用し、バリコンは今とな っては滅多に見ることの無い単連タイプのものである。ボリウムは電源スイッチ 兼用になっていて、押すとトグル操作でON/OFFができる。 肝心の感度であるが、このラジオキットを製作した時は、確か10mくらいの 針金を用意し、家の周りにめぐらせた記憶がある。アンテナさえしっかりと張っ ておけば、全く問題無く使用できた。今はどの程度聞こえるのか、試してないの で不明である。