■ 電子ブロック ■
 |
電子ブロック ST45,ST55 製品構成 |
 |
電子ブロック ST本体ケース |
 |
電子ブロック 回路構成例 |
電子ブロックと言えば、最近復刻版が発売されて話題になった商品である。
ここに掲載したものは、筆者がその昔、1972年9月18日に渋谷東急本店に
て、3,980円で購入したオリジナル原典版の電子ブロックである。
電子ブロックは、その名も電子ブロック機器製造株式会社が作成した学習用の
キットである。製品はST(シリコントランジスタ)シリーズと呼ばれ、最も基
本的なセットは25回路が構成可能なST−25で、販売価格は2,950円で
あった。これに1,200円の3石アンプ付きスピーカーユニットを加えたもの
がST−45Bと呼ばれるセットである。これとは別に、最初からスピーカーユ
ニットを同梱したST−45Aと呼ばれるセットも存在し、こちらは若干割安と
なっており3,950円であった。さらに、オプションとしてKパーツというも
のが 1,000円で販売されており、これを加えることによって、総計100
回路までの実験が可能となっていた。詳細な製品系列については、別途説明資料
を掲載したので、そちらを参考にしてほしい。
ここに掲載したモデルは、ST−45AとKパーツを合わせたセットである。
ST−45Aは最初からアンプ付きスピーカーユニットが搭載されていたが、ト
ランジスタ数は2石と1個少なくなっている。ST−25にユニットを付加した
ものより、200円安くなっているための影響であろう。しかし、これだけのこ
とで1石少なくするというのもセコい話ではある。まあ、当時はトランジスタが
非常に貴重であったため、致し方なかったものと思われる。
 |
電子ブロックのブロック部品アップ |
 |
2石アンプ内蔵SPユニットの裏面 |
 |
同調ユニット 表面 |
 |
同調ユニット 裏面 |
 |
ブロック部品のアップ |
セットには、電鍵やクリスタルイヤホン等が付属する。ラジオを構成した場合
のチューナー部分は、1個の巨大なブロックとなっており、取り扱いが容易に出
来ている。ST−45とKパーツを合わせると、全部で100種類の回路が実験
できるのだが、中には類似回路も多い。写真に掲載したものは、レフレックス3
石ラジオ(トランス負荷タイプ)が組まれたものである。簡単な実験回路である
が、非常に大きな音で鳴り、びっくりしたものだ。
このセットを購入した当時、鉱石ラジオと3球ラジオを半田ごてを使って組み
立てた経験を持つ筆者は、半田不要で即座に組み替えができるキットに夢中にな
ってしまった。当時電気回路の知識は子供だったため皆無であったが、適当に素
子を入れ替えて、色々な実験を楽しんでいたものだ。そんなこともあり、今でも
大変懐かしい我楽多である。
■参考:当時の取り扱い説明書の一部
・ST各部の名称
・STシリーズの商品構成
・2石アンプ付きスピーカーユニット内の配線図
・回路No.32:レフレックス3石ラジオ(トランス負荷)
< BACK