1998年07月号:波多 利朗のFunky Goods
世界中のPCを支える「地下電脳」
 ――中国大陸のマザーボード工場探訪記



 波多 利朗の Funky Goods連載再開の第10回目。IBM PC互換機のマザーボードなどを大量生産し、世界中のメーカーに供給している中国PC CHIPS社の製造工場探訪記である。中国、台湾には月産100万枚以上のマザーボードを製造・出荷する工場が存在するが、これらの製品は主にOEM供給用であり、流通経路も多岐にわたるため、その実態を把握するのは難しい。こうしたことから、中国の業界関係者は、こうした市場を「地下電脳」と呼んでいる。

 今回訪問したPC CHIPS社は、この「地下電脳」の中心的存在で、深センの経済特区に巨大な製造拠点を構えている。月産150万枚の生産規模を誇るプリント基板工場を始め、コネクタ/ケーブル工場やマザーボードのアセンブリ工場などが立ち並び、凄まじい勢いで製品を大量生産している様子に圧倒された。これらの工場では、自動設備と人海戦術による検査、組立を組み合わせることにより、製造ラインの柔軟性と多品種生産を実現しており、安価な労働力を背景とした中国ならではの生産方式に感心させられたものだ。




(補記)
 今回は至極真面目な探訪記なので、前フリは無しだったが、そうは言っても「波多利朗の Funky Goods」であるからして記事末尾では「変なもの」を紹介することにした。香港は深水歩近くの露店で見掛けた「電気蚊取り器」なる製品である。テニスラケット状の装置で、ガット代わりに張られている金網に1100Vの電圧をかけて蚊をショック死させるという単純ながらアブナイ代物だ。