波多 利朗のFunky Goods連載の第8回目。前回までのタイトルは「Funky Goods in 秋葉原」であったが、取り上げる製品が、秋葉原にとどまらなくなってきたため、タイトル名称を「波多 利朗のFunky Goods」に変更した。以後、現在に至るまで、この名称を使用している。
さて、この号で紹介したものは、Funky Goodsシリーズ中でも一、二を争う珍品、8088マシン用のアクセサレータキット「Nickel Express」である。この商品は、本誌上で良く紹介しているアメリカの通販会社、JDRから取り寄せたもので、価格は 約$70であった。すでに486の時代にどっぷりと入っていたのにもかかわらず、このような8088用のアクセラレータキットを取り上げるとは、完全にプッツン状態であると言えるであろう。さらに、このキットの外観がハンパぢゃなく「怪しい!」のだ。このキットは、IBM The PCやPC/XTといった8088を使用しているマシンのCPUをV20にのせ変え、原発振の周波数をクロックアップするといったものである。IBM PC/XTに取り付けたところ、約70%近く高速化されたという結果を得ている。Nickel Expressが日本で紹介されたのは、後にも先にもこの記事だけであったと断言することができるだろう。
本誌の特集記事は、「MPEG画像を見る・つくる」であり、第2特集は「パソコンGPS」であった。MPEGといえばReel Magicの登場が、その火付け役となったが、この頃からビデオCDがちょっとしたブームとなり、さまざまなMPEGデコーダボードが登場した。本誌では、ビデオCDのカタログも掲載されている。また、緊急レポートと称して、「HP 200LX の日本語化ソフトの概要」が掲載され、オカヤシステムウエアの「HP 200LX日本語化キット」の内容が紹介されている。
業界関連のニュースとしては、Chicago の正式名称が、Windows95 に正式に決定し1995年4月リリース説が濃厚となった。Microsoftキーボードがアナウンスされたのもこの頃である。また、Compaq がAMD互換チップ搭載機をリリースした。ビデオカードでは、Number Nine ComputerがImagine128をリリースした。TV搭載のパソコンが続々と登場。IBM のPS/V Vision、松下のWoody、富士通のTowns Fresh TV、NECの98MULTIといった製品が店頭に並ぶ。
IBM は、ThinkPad360Pで、国内初のペンコンピュータを発売した。この頃の標準的なマシンのCPUは、486DX2/66であり、上位機種には、DX4やPentium 90MHzが投入されていた。545MBのIDE HDDの価格は、59,000円程度であった。
(補記)
本号の新製品情報欄に、富士写真フイルム発売のプロ用一眼レフデジタルカメラが掲載されている。ニコンと共同開発を行なった製品で、E2/sとDS-505というものだ。標準モデルで110万円と自動車並の価格設定であったこのカメラに搭載されているCCD素子の画素数はナント!!!!・・・・・・130万画素だった。。。。。。