Funky Goods in 秋葉原、連載の第5回目。ジャンクでつくるIBM PC/XTシリーズの4回目である。今回で、シリーズは完結となる。今回のテーマは、PC/XT上で日本語環境を構築すること。たまたまプロサイドのアウトレットで見かけた日本語入出力ツール、「甲賀忍者」をインストールして構築してみた。「甲賀忍者」は、DOS/Vのようにソフトウエアで日本語環境を構築するのでは無く、漢字ROMを実装したボードにより、純粋にハードウエア的に構築する。対応しているビデオカードは、EGAカードのみとなる。そこで、やはりジャンクで購入した、GENOA社製グラフィックスカード、EGA ULTRAを使用した。なお、「甲賀忍者」では、日本語FEPとしてEGBridgeを使用している
本編はたかだか4ページの記事ではあったが、動作テストにかかった時間は半端ではなかった。日本語を表示させるまでのトライアル&エラーは、それは大変なものだった。内容のマイナー度とカルト度は、Funky Goodsの連載中でも非常に高い方であった。
この号の特集記事は、「あなたのPCはTVの皮をかぶっていますか?」であり、PC/AT互換機用TVチューナの紹介であった。IBM PS/V Vision等が登場している。Chicagoのマーケティングβが、アメリカで2万枚配布されたのも、この頃である。また、NECがPCIバス搭載のデスクトップマシンを発表し、PC98とIBMPCとの融合が囁きはじめられた。80486DX/2搭載のデスクトップマシンに、DX/4を取り付ける、通称「ゲタ」と呼ばれるボードが出現しはじめてきた。ヤマハの4倍速CD-R、CD EXPERTの製品紹介も掲載されたが、本体価格が60万円、ライタソフトが20万円と、一般への普及はまだまだの状態であった。この頃の一般的なデスクトップマシンのスペックは、CPUが80486DX/2もしくはDX/4、メモリは標準で8MB、バスはVL、HDDは340MBといった感じである。
(補記)
本号のニュースで特徴的な項目をさらに2つ。一つはNextGen社がx86互換のCPU Nx586ファミリの国内販売を開始したという記事。RISC86アーキテクチャ搭載ということで話題になった石だが、いつのまにか雲散霧消してしまい、今となってはコレクターズアイテム化している。入手しておけば良かったと、今更ながら後悔。もう一つは、PCCショウにMotorolaがEnvoyを出品していた記事。「モーバイルの未来は見えたか?」とのサブタイトルに、あのGeneral Magic社が開発したMagic Cap、Telescriptをサポートした、先進的通信端末として華々しく登場した。これも、今となっては覚えている人すらいない状態。諸行無常と言うか、何と言うか。