この記事が掲載された頃、巷ではi80486DX2/44MHzといった当時としてはバケモノみたいなCPUを搭載したマシンが数多くのパソコンショップで売られていた。これらは総てIBM-PC/ATコンパチブルマシンだが、筆者はそれまで元祖ATマシンなるものに触れたことがなかった。本記事の第一部では、筆者が秋葉原のジャンク屋巡りの末に入手した元祖ATマシンの「解剖」結果と、CGA用ディスプレイドライバによる日本語化の手順を記載している。
第二部では、このATマシンの筐体だけを用いて、マザーボードやCPU、ビデオカード、ハードディクス等を「換骨奪胎」して386BSDマシンに改造する手順のあらましについて解説している。ジャンクの元祖ATの筐体にUNIX環境を構築し、さらにX-Windowシステムをインストールするというのはいささか倒錯した試みだが、IBM製の重量感のあるスチール製の筐体に包まれたUNIXマシンには何とも言えないレトロな趣が感じられたものだ。