2004年秋号:マツコム オンハンド PC!
・・・・マツコムっていったい。。。。ヽ(´ー`)ノ



 腕時計型PCと言えば、セイコーインスツルメンツのRuputerが有名だが、今回取り上げるのは、そのOEMバージョンのMatsucom OnHandという製品である。Ruputerが登場したのは、1998年のことで、PCアーキテクチャを搭載した端末して話題となった。開発環境がオープンであったこともあり、多くのマニアが様々なプログラムを開発して腕を競い合ったものだ。ウェアラブルコンピュータ時代を予見させる画期的な製品だったと筆者は今でも高く評価している。

 しかし、そのRuputerもマニアックすぎる仕様だったのが祟って、2年後には、ディスカウントショップで投げ売りされる状態となってしまった。筆者は、2000年の正月に、東京田町の駅ビルにあるキムラヤで、8000円ほどで売られているのを見かけた記憶がある。進化の早いIT業界のこと、Ruputerも過去の製品となってしまうのかと思っていたのだが、しばらくするとアメリカでOEM製品が売られているらしいという情報を耳にするようになった。それがMatsucom OnHandだったのである。

 早速取り寄せて調べてみると、紛れもなくRuputerのOEM製品であった。ただしアメリカでの販売を前提としているため、メニュー表示やソフトウェアキーボードは、英語対応となっている。細かい機能改善や動作クロックの向上が図られており、バージョンアップしたRuputerというのが第一印象だった。

 そのままでは日本語が文字化けするという問題があったが、Matsucomのサイトで公開されているパッチを適用してフォントセットを切り替えることにより簡単に解決することができた。しかし、元々日本メーカが製造し、日本語フォントを搭載しているマシンに、パッチを当てて日本語を表示させるというのが、どうにも屈折した話ではあった。

 とは言え「日本語化」してしまえば、高性能版Ruputer以外の何物でもなく、快適に使用できた。以前の記事で簡単に紹介した、Ruputer用の日本語エディタ、RupEditもサクサクと動作したものである。

 今回は、ATARI Portfolio用の怪しいグッズの紹介もしている。Portfolioの拡張スロットに接続して使う「診断カード」だが、マニュアルが無いため動作確認もできないというトホホな製品であった。また、かねてから探していたPsion MC200をイギリスのジャンクショップから入手したことも報告されている。記事の最後で、当時国立科学博物館で開催中だった「テレビゲームとデジタル科学」展に展示されていたENIACの実物について紹介した。筆者は、ENIACマニアで、ブログでもこの展覧会の紹介をしているのだ。前フリは、昭和30年代の素朴なおもちゃについて取り上げた。このようなレトログッズを懐かしむと歳がバレてしまうのが難点だ。






Ruputer 2MB版の商品構成
1998年6月に発売されたSIIのRuputer。512KB版と2MB版の2機種がラインアップされていた。

Ruputer(左)とOnHand(右)
Matsucom On Handは目にも鮮やかな黄色いパッケージ。Ruputerの上品なデザインとは全く異なっている。

Ruputer(下)とOnHand(上)
共に内蔵メモリ2MBの製品。ロゴとベルトのデザインだけが異なる。

OnHandのデスクトップLauncher
PC通信ソフトのデスクトップLauncher。どハデなデザインがいかにもアメリカ的。

通信ソフトの起動画面
エクスプローラ風にファイルをやり取りできる通信ソフト。Matsucom付属のソフトだが、Ruputerでも問題なく利用可能。ただし最大ボーレートの設定が異なるので要注意。

ファイラの画面
左はRuputerのファイラ。内蔵メモリがBドライブとなっている。右はOnHandのファイラ。フォルダのツリー表示の他に、アプリケーション表示も可能。

ServicePack99での設定
「Appendix」セクションの「Fontset」を「Japanese」に変更することで、日本語対応アプリケーション起動時にも文字化けを回避することができる。

PCOnHand.comのトップページ
OnHandPC用の様々なインフォメーションを掲載している。結構面白いアプリもダウンロードできる。

ソフトウェアキーボードの比較
Ruputer(左)とOnHand(右)とでは、ソフトウェアキーボードが異なる。OnHandでは日本語表示用パッチを当てても、ソフトウェアキーボードは、英語のみの対応となってしまう。

RupEditの起動画面
バージョン情報を表示したところ。OnHand対応版はv.2.01e。

RupEditでの入力画面
十字カーソルキー、Enterキー、ELキーなどを利用して文字を入力する。慣れればそこそこ早く入力することが可能。

RuputerとOnHand上のRupEdit
左がRuputer、右がOnHandの画面。表示上の差異はないが、操作性はOnHandが上で、処理速度がかなり速くなっている。

Matsucom USAのWebページ
OnHandPCの紹介とオンラインショップでの販売を行っている。

The Atari Portfolio Expansion Port Diagnostic Card
Portfolio専用のレアアイテム。というか、こんなもん一般民間人が持っていてどーする!とツッコミを入れたくなるような製品。

診断カード上に配置されたLED
本来であれば、このLEDの点滅状態でPortfolioの故障箇所を診断できることになっているのだが、マニュアルが無いので如何ともしがたい。

Portfolioとの接続状況
Portfolio本体右側の拡張スロットを介して接続する。

Johnの店のトップページ
イギリス在住のJohnが経営する「Trade In Post」というネットショップ。写真で見る限り、店舗の外観はかなり怪しいジャンク屋の雰囲気だ。

ENIACのリングカウンタモジュール
国立科学博物館で開催されている「テレビゲームとデジタル科学」展で展示されているENIACのモジュール。人の背丈以上の大きさがある。整然と並んだ真空管が圧巻!

ENIACの配線
総て手作りで丁寧に半田付けされた配線。ハードェアヲタクにはたまりませんなぁ~~~~!

ロケット弾
台紙に24個の商品が貼り付けられたロケット弾。この状態で駄菓子屋の店頭に並んでいたものである。

ちびっこロケット弾
これも台紙に24個が貼り付けられている。ロケット弾の廉価版である。

ロケット弾(ノーマル版とミニ版)
左がノーマル版、右が廉価版のミニ版。

水鉄砲
古典的ないたずらグッズ。本体がスポイトの役目を果たし、狙いを定めて水を飛ばす。

ベビーヘリコプター
単純だが良くできた玩具。本体支柱に巻きつけた糸を引くと、ファンが面白いように舞い上がる。

CAMEL印のビー玉
気泡を含んだ若干濁ったガラスの中に懐かしい模様が入る。作りの粗さが却って郷愁を誘う。

リリアン
一世を風靡したレトロ玩具。これは懐かしい。編み方を忘れてしまったが、もう一度編んでみたいものだ。

鉄コマ
カラフルな色が付けられた鉄製のコマ。かなり重い。

スーパーカーカード
スーパーカー世代にはこたえられない逸品。カウンタックを始めとして、当時人気のあったスーパーカーが10種類ほど掲載されている。