波多 利朗の Funky Goods 第10回 SyQuest Drive を使用したマシンの製作<その1> 波多 利朗の Funky Goods 連載の第10回目。SyQuest Drive を使用したマシンの製 作<その1>である。SyQuest Drive は、リムーバブルハードディスクの一種で、 アメリカではバックアップデバイスとして良く利用されていたが、日本での知名度 は今一つであった。この特集では、リムーバブルハードディスクを使用して、マル チ OS マシンを構築することを目標とした。今回使用した SyQuest Drive は、秋 葉原の TOM というショップで 69,800 円で購入したものである。ディスク容量は 270 MB である。 製作したマシンのスペックであるが、CPU は 80486DX4-100MHz、マザーボードは、 CMC 社製 VL バスマザーボード、SCSI カードは、Adaptec 社の AHA-1542CF、ビデ オカードは、I/O データ機器の ACCELA Major(CL-GD5434)といったものである。 VL バスを使用したところなど、時代を感じさせる。ビデオカードに ACCELA を使 用したのは、当時 Unix 等の対応が最も進んでいたグラフィックチップが、シーラ スロジック社の製品であったためである。今回は、マシンの組み立てまでを解説し ている。 本誌の特集記事は、「サブノートのデータ・ストレージ」であった。PC カード ATA のハードディスクドライブは、130MB クラスの製品の店頭価格が6万円前後であっ た。この他、PCMCIA SCSI カードや、パラレルポート接続の外付け HDD 等が紹介 されている。 パームトップ関連の記事では、Psion 3a のシェアウエアとユーザーグループの紹 介記事が掲載されている。また、Moving Pocket LC-8600 シリーズの日本語表示が 可能となった。しかし、日本語 FEP は、まだ対応できていなかった。HP 社のサブ ノートパソコン、 OmniBook 530 の機種紹介と日本語化についての記事も、掲載さ れている。この頃は、MO は 230 MB の製品がようやく出てきた頃であり、モデム のスピードは、まだ 14400 bps が一般的であった。 業界関連のニュースとしては、COMDEX / Fall '94 が、入場者19万人、出展社数 1500 社と、過去最高を記録している。筆者が COMDEX に行ったのも、この時であ った。ノートPCでは、世界一薄い Digital HiNote Ultra が発表された。Apple の「ガリレオ」が消え、代わりに「ザウルス」が日本の標準 PDA となってきた。 セガサターンやプレイステーションが相次いで発売され、32ビットゲームマシン 戦争が開始されてきたのもこの頃であった。本号には、筆者の「Funku Goods in Korea 龍山電子商街を行く」も掲載された。