■　ＫＭＺ　ＺＯＲＫＩ−４Ｋ　■

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　KMZ社のZORKI-4Kは、ZORKI-4のところでも述べたように、フィルム巻上
げレバーが付いた改良型である。ZORKI-4は1956年〜1973年の期間中、総 
計約170万台以上が生産されたベストセラーモデルであるが、ZORKI-4Kは 
ZORKI-4の製造が中止される直前、1972年より製造が開始され、1978年ま 
でに52万台が製造された。フイルム巻上げレバー搭載による操作性の向上
は顕著で、より現代のカメラに近づいた感がある。　　　　　　　　　　

　本モデルは1974年製造のもの。ZORKI-4に限らず、ロシア製カメラに良 
くある、シャッタースピード表示のかすれが見受けられる。この辺りがい
かにもといった感じだ。シャッターの並びは、1/30、B、1/1000、1/500、
1/250、1/125、1/60、1/15、1/8、1/4、1/2、1の順となっている。この個
体のように、シャッター設定表示がかすれて見えない場合には、勘を頼り
に操作しなくてはならない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　ZORKI-4Kには、本来ブラックエナメル塗装が施されたJUPITER-8、50mm 
／F2.0が搭載されているが、本モデルに搭載しているレンズは、INDUSTER
-50、50mm／F3.5となっている。なお、このレンズのシリアル番号は、　 
6710339である。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 

　ZORKI-3では、製品のロゴマークがエンボス加工されていたが、ZORKI- 
4Kではシルクスクリーンによる印刷に変わっており、コストを優先した作
りが伺える。昔のZORKIシリーズのような重量感は若干薄れているものの 
いかにも1970年代の製品らしいデザインと言えよう。