■　ＫＭＺ　ＺＯＲＫＩ−４　■

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　KMZ社のZORKI-4は、1956年〜1973年の長期間に渡り、実に171万台以上 
も製造されたベストセラーモデルである。また各種アニバーサリーモデル
が作られた製品でもある。ここに掲載したモデルは、ロシア革命５０周年
記念モデルである。ZORKI-4の派生モデルとしてZORKI-4Kがある。これは 
ZORKI-4のフィルム巻き上げ機構をレバーに改良したもので、1972年〜　 
1978年の期間中、約52万台余りが製造されている。以上よりZORKI-4ファ 
ミリ全体を見ると、22年の長きに渡り、総計223万台以上が製造されたと 
いう実績を持つ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　ZORKI-4は、ZORKI-3Sにセルフタイマーが付いたモデルであり、外観も 
ZORKI-3Sと極めて良く似ている。標準搭載レンズにはJUPITER-8と　　　 
INDUSTAR-50の２種類が存在した。掲載モデルにはINDUSTAR-50、50mm／　
F3.5が搭載されている。レンズキャップには、ROWI製品の36mmが流用可能
だ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　本製品はロシア革命５０周年記念モデルである。そのためカメラ上部に
は、旧ソ連の真っ赤な国章とロゴが誇らしげに記されている。記念モデル
ということもあり大切にされていたようで、本体の痛みは少なく、コンデ
ィションは良いほうだ。おそらく、記念モデルとして式典等で配布された
ものをデッドストックしていたのだろう。　　　　　　　　　　　　　　

　本体はかなり大きくかつ重い。いかにも旧ソ連製品といった感じだ。シ
ャッタースピードは高速側、低速側共に充実しており、Bから1/1000まで 
12段階に設定することができる。多段階に設定可能なのは良いのだが、　
1/4から1/125の間はシャッター設定ダイアルのラッチ間隔が細かく、老眼
の目には現在設定されているシャッタースピードの確認が少々やっかいで
ある。シャッタースピード調整ダイアルには、25msまでのシンクロセレク
ターが付いている。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　カメラ本体のシリアル番号は No.67597765で、１９６７年製造である。
ロシア革命が１９１７年であるから、ちょうど革命５０周年目ということ
になる。