■ KMZ ZORKI−3M ■


KMZ ZORKI-3M 外観


                                 
 KMZ社のZORKI-3には、3、3M、3Sが存在する。これら各モデルの違いを 
簡単に述べると、以下のようになる。                

 ・3 :低速シャッターと高速シャッターが別ダイアルのモデル   
 ・3M:低速シャッターと高速シャッターを1軸に統合したモデル  
 ・3S:3Mをベースに軍艦部デザインを変更し、シンクロ接点を設け
     たモデル                        

これら各モデルの発売時期、製造台数は以下の通り。         

 タイプ  製造期間    製造台数(−は不明)  
 ZORKI-3  1951 − 1954  3と3Mを合わせて87,569台
 ZORKI-3M 1954 − 1956              
 ZORKI-3S 1955 − 1956  45,572台        

 ZORKI-3Mは、ZORKI-3で分離されていた低速と高速シャッター設定ダイ 
アルを、1軸に統合したモデルである。その他の機能は、ZORKI-3に準拠 
している。発売期間が比較的短かったこともあり、今となってはレアなモ
デルであると言える。3と3Mとは本体正面のロゴとスローシャッターダイ 
アルの有無の他に外観上特に異なった違いは見受けられない。     

 ZORKI-3Mの軍艦部分の造形はZORKI-1と良く似ているが、ZORKI-1よりも
かなり高さがある。そのため、ZORKI-1シリーズのようなコンパクトさは 
感じらない。ZORKI-Sの軍艦部もかなりの高さがあるが、3Mの軍艦部はSと
比較して複雑な形状になっているため、より迫力がある。       

 ZORKI-3Mの特徴である1/1のファインダーは大きくて見やすく、二重
像も極めて鮮明に確認することができる。ファインダーには視度調整レバ
ーも備わっている。レンズにはJUPITER-8、50mm/F2.0が標準で搭載され 
る。このレンズはZeiss Sonnar(ツァイス・ソナー)のコピーモデルとし
て有名だ。レンズキャップにはROWIの42mmキャップが流用できる。   

 ZORKI-3Mは、1軸式のシャッター設定ダイアルを搭載した最初の製品で
あったため、構造が複雑となり故障が多いと言われたモデルでもあった。
シャッタースピードはB〜1/1000まで、実に11段階にも設定することが 
可能で、特に低速側での設定が充実している。このシャッターメカは、そ
の後より洗練されたデザインのZORKI-4に踏襲されて行く。ZORKI-3Mの発 
売後、、軍艦部のデザインと操作性を一新したZORKI-3Sが登場する。  
ZORKI-3Sは、機能的にはZORKI-3Mをベースにしているが、シンクロ接点と
25msまでのシンクロセレクターを有していた。            

 ZORKI-3Mは非常に重く大きい筐体のカメラであるため、気軽にスナップ
写真を撮影するという用途には向かないものの、いかにもロシアカメラら
しい質実剛健な感じを与える製品である。なお、ZORKI-3の発売年は、  
ZORKI-2よりも3年前となっている。                 
メーカー KMZ社
モデル名称 ZORKI−3M
製造期間 1954 - 1956
総生産台数 87,569 台(但し3と3Mの合計総数)
掲載モデルの製造年 1955 年
掲載モデルのシリアル番号 5513431 番
シャッタースピード
B、1s、1/2、1/5、1/10、1/25
1/50、1/100、1/250、1/500、1/1000
搭載レンズ JUPITER-8 50mm/F2.0
搭載レンズのシリアル番号 5641320
搭載レンズのマウント形式 ライカ・スクリューマウント

KMZ ZORKI-3M 正面


KMZ ZORKI-3M 上面


KMZ ZORKI-3M 裏面


KMZ ZORKI-3M 背面


KMZ ZORKI-3M ロゴのアップ


KMZ ZORKI-3M フィルム装填方法


KMZ ZORKI-3M 軍艦部アップ



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