■ KMZ ZORKI−2 ■


KMZ ZORKI-2 外観


                                 
 KMZ社のZORKI-2は、ZORKI-1 Type-eとほぼ同じ形状をしたカメラで、 
1954年〜1956年の期間に10,310台が製造された。一機種の製造台数が10万
台以上が普通であるロシアカメラの中にあって、ZORKI-2の製造台数は極 
めて少ない。そのため現在ではコレクターズアイテムとして珍重されてお
り、市場価格も高く、3万円以上で取引されているのがほとんどである。
さらに、個体数が絶対的に少ないため、滅多に市場に出てこない。   

 ZORKI-1以後のZORKIシリーズは、必ずしも番号と発売年とが順番になっ
ていない。ZORKI-3はZORKI-2が発売される前、1951年にリリースされてい
るし、ZORKI-3MはZORKI-2と同じ年に発売されている。ZORKI-2は、ZORKI 
Type-1eに、いくつかの改良を加えたモデルである。まず、KIEVタイプの 
セルフタイマーが装備された。またシャッタースピード設定ダイアルの構
造も、改良されている。ZORKI Type-1eでは、フィルム巻取りの際にレバ 
ーを操作する必要があったが、ZORKI-2ではこのレバーが無くなり、シャ 
ッターボタン周囲に設けられたリングを回すことで、巻き取りが行なえる
ように改良されている。さらに、ZORKI-1シリーズには搭載されていなか 
った吊り環も装備されている。このような細かい相違はあるものの、全体
の雰囲気としてはZORKI-1と非常に良く似ている。裏蓋の開閉やフィルム 
の搭載方法も、ZORKI-1と同じである。                

 ここに掲載したZORKI-2のシリアル番号は556592。1955年製であること 
が伺われる。標準で搭載されるレンズは、沈胴式のINDUSTAR-22、50mm/ 
F3.5で、本機に付いていたレンズのシリアル番号は5161369であった。  

 また、ZORKI-2はZORKI-S及び2Sと外観が良く似ているが、両者の違いと
して下記があげられる。                      

・軍艦部、シャッタースピードダイアルが搭載されている部分の出っ張り
 がZORKI-2の場合傾斜が付いているが、それ以外のモデルは垂直に切り 
 立っている。                          
・ZORKI-2の方がシャッターボタンが低い。              
・ZORKI-2には、ボディ前面にKIEVタイプのセルフタイマーが付いている 
 が、ZORKI-S及び2Sには基本的に無い。(但し、その後タイマー搭載モ 
 デルも発売されている。)                    

なお、ZORKI-Sは472,702台、ZORKI-2Sは214,903台製造されており、いず 
れもZORKI-2と比較すると一桁多い。                 
メーカー KMZ社
モデル名称 ZORKI−2
製造期間 1954 - 1956
総生産台数 10,310 台
掲載モデルの製造年 不明
掲載モデルのシリアル番号 556592 番
シャッタースピード B、1/25、1/50、1/100、1/250、1/500
搭載レンズ INDUSTAR-22 50mm/F3.5
搭載レンズのシリアル番号 N5161369
搭載レンズのマウント形式 ライカ・スクリューマウント

KMZ ZORKI-2 正面


KMZ ZORKI-2 上面


KMZ ZORKI-2 背面


KMZ ZORKI-2 ロゴのアップ


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