KMZ社のZORKI-2は、ZORKI-1 Type-eとほぼ同じ形状をしたカメラで、 1954年〜1956年の期間に10,310台が製造された。一機種の製造台数が10万 台以上が普通であるロシアカメラの中にあって、ZORKI-2の製造台数は極 めて少ない。そのため現在ではコレクターズアイテムとして珍重されてお り、市場価格も高く、3万円以上で取引されているのがほとんどである。 さらに、個体数が絶対的に少ないため、滅多に市場に出てこない。 ZORKI-1以後のZORKIシリーズは、必ずしも番号と発売年とが順番になっ ていない。ZORKI-3はZORKI-2が発売される前、1951年にリリースされてい るし、ZORKI-3MはZORKI-2と同じ年に発売されている。ZORKI-2は、ZORKI Type-1eに、いくつかの改良を加えたモデルである。まず、KIEVタイプの セルフタイマーが装備された。またシャッタースピード設定ダイアルの構 造も、改良されている。ZORKI Type-1eでは、フィルム巻取りの際にレバ ーを操作する必要があったが、ZORKI-2ではこのレバーが無くなり、シャ ッターボタン周囲に設けられたリングを回すことで、巻き取りが行なえる ように改良されている。さらに、ZORKI-1シリーズには搭載されていなか った吊り環も装備されている。このような細かい相違はあるものの、全体 の雰囲気としてはZORKI-1と非常に良く似ている。裏蓋の開閉やフィルム の搭載方法も、ZORKI-1と同じである。 ここに掲載したZORKI-2のシリアル番号は556592。1955年製であること が伺われる。標準で搭載されるレンズは、沈胴式のINDUSTAR-22、50mm/ F3.5で、本機に付いていたレンズのシリアル番号は5161369であった。 また、ZORKI-2はZORKI-S及び2Sと外観が良く似ているが、両者の違いと して下記があげられる。 ・軍艦部、シャッタースピードダイアルが搭載されている部分の出っ張り がZORKI-2の場合傾斜が付いているが、それ以外のモデルは垂直に切り 立っている。 ・ZORKI-2の方がシャッターボタンが低い。 ・ZORKI-2には、ボディ前面にKIEVタイプのセルフタイマーが付いている が、ZORKI-S及び2Sには基本的に無い。(但し、その後タイマー搭載モ デルも発売されている。) なお、ZORKI-Sは472,702台、ZORKI-2Sは214,903台製造されており、いず れもZORKI-2と比較すると一桁多い。
メーカー | KMZ社 |
モデル名称 | ZORKI−2 |
製造期間 | 1954 - 1956 |
総生産台数 | 10,310 台 |
掲載モデルの製造年 | 不明 |
掲載モデルのシリアル番号 | 556592 番 |
シャッタースピード | B、1/25、1/50、1/100、1/250、1/500 |
搭載レンズ | INDUSTAR-22 50mm/F3.5 |
搭載レンズのシリアル番号 | N5161369 |
搭載レンズのマウント形式 | ライカ・スクリューマウント |