MMZ-BELOMO社の製品、TCHAIKA-II(チャイカ2)である。MMZ社製造の ハーフサイズカメラで、チャイカとは「かもめ」を意味するロシア語だ。 TCHAIKAシリーズは1965年に初代機が発売され、以後1974年に至る約10年 間に3モデルで200万台以上が製造された。ハーフサイズの大衆向けカメ ラという位置付けは、日本ではオリンパスペンに相当するモデルであると 言えよう。以下に、モデルと製造台数の推移を示す。 モデル名称 製造期間 製造台数 TCHAIKA 1965年〜1967年 180,000台 TCHAIKA-II 1967年〜1972年 1,000,000台以上 TCHAIKA-3 1971年〜1973年 500,000台 TCHAIKA-2M 1972年〜1974年 350,000台 初代TCHAIKAのマイナーモデルチェンジ版であるTCHAIKA-IIは、1967年 〜1972年の6年間に、実に100万台以上という猛烈な数が製造された。こ のカメラはハーフサイズであり、レンズにはINDUSTAR-69、28mm/F2.8が 搭載されている。大衆向けの普及機らしく、カメラ上部にはシャッタース ピード設定窓とフイルムカウンターしか搭載されておらず、実にシンプル な構成となっている。ただ、コスト削減を優先したモデルのため、品質的 には今ひとつという評価が多い。新品であるにもかかわらず、動作不良を 起す個体がかなりあったようだ。 一見、何の変哲もないハーフカメラのように見える本機ではあるが、そ の最大の特徴はと言えば、レンズが取り外し可能であることだろう。当然 のことながら、交換用レンズなどは用意されていないため、同じTCHAIKA 同士の間でしかレンズ交換ができない。一体何のためにこのような構造に なっているのか、実に不可思議である。あるいは、TCHAIKAに搭載したレ ンズが、その後の国際標準か何かになり、グローバル規格として流通する ような壮大な計画があったのかもしれないし、ただ単に設計者の気まぐれ で取り外せるようにしたのかもしれない。レンズを取り外すと、普段は見 ることができないシャッター部分が良く見えて面白い。このような大衆カ メラにも謎があるところが、いかにもロシアカメラだ。
メーカー | MMZ−BELOMO社 |
モデル名称 | TCHAIKA−II |
製造期間 | 1965 - 1967 |
総生産台数 | 100万台以上 |
掲載モデルの製造年 | 不明 |
掲載モデルのシリアル番号 | 8060623 |
シャッタースピード | B、1/30、1/60、1/125、1/250 |
搭載レンズ | INDUSTAR-69 28mm/F2.8 |
搭載レンズのシリアル番号 | 不明 |
搭載レンズのマウント形式 | ライカ・スクリューマウント |