KMZ社のMIR(ミール)は、1959年〜1961年の3年間に、総計156,229台 製造されたカメラである。製造期間が短く製造台数もそれほど多くないた め、今となっては希少性の高いカメラとなっている。 もともと、このMIRはZORKI-4のエコノミーバージョンという位置付けと して、一般家庭向けに製造されたものだ。ZORKI(ゾルキー)シリーズは、 同じくKMZ社の代表的なブランドであり、初期型には1〜6がラインナッ プされている。 MIR本体には、標準レンズとしてINDUSTAR-50、INDUSTAR-26M及びJUPITER- 8の3種類が搭載されていた。話は変わるが、ロシアカメラに標準搭載さ れているレンズには50mmと望遠寄りのものが多い。「ロシアは国土が広い から、広角レンズが流行らない。」という憶測は冗談としても、50mmレン ズが比較的安くて作りやすかったからであろう。 MIRは連動距離計搭載のカメラである。ZORKI-4では12段階に設定可能で あったシャッタースピードは、6段階に削減されている。この辺りが、フ ァミリーユースを狙った製品らしい。ZORKI-Sや2Sのように、軍艦部分が バルナック型ライカと比較して高くなっている点が、デザイン上の特長と なっている。シャッタースピード設定ダイアルには、25msまでのシンクロ セレクターが搭載される。ここに掲載したMIRの製造番号は5934166であっ た。 ここに掲載したMIRには、JUPITER-12、35mm/F2.8を搭載してみた。こ のレンズは、レンズの後部が大きく突出しているのが特徴である。35mmレ ンズであるにもかかわらず型番が12というのも妙な感じを受けるが、聞く ところによれば、JUPITERタイプのレンズとして12番目に設計されたもの だからだそうだ。なお、真偽の程は確かでは無い。ちなみに、掲載レンズ のシリアル番号は7009536であった。
メーカー | KEZ社 |
モデル名称 | MIR |
製造期間 | 1959 - 1961 |
総生産台数 | 156,229 台 |
掲載モデルの製造年 | 1959 年 |
掲載モデルのシリアル番号 | 5934166 番 |
シャッタースピード | B、1/30、1/60、1/125、1/250、1/500 |
搭載レンズ | JUPTER-12 35mm/F2.8 |
搭載レンズのシリアル番号 | N7009536 |
搭載レンズのマウント形式 | ライカ・スクリューマウント |