初代FED MICRONはハーフサイズのカメラであったが、後期バージョンで あるMICROON2は、35mmフルサイズのカメラとなっている。FED MICRON2は 1978年〜1987年の間に、わずかに34,946台しか製造されていない。総生産 台数が少ないため、現存している個体は少なく、レアモデルと言える。 MICRON2は外界の明るさに応じてシャッタースピードを自動的に変化さ せるオートカメラであり、レンズ前面にCdS受光窓が設けられている。プ ロトタイプから初代MICRONまでのモデルでは、このCdSの代わりに、レン ズ周辺部分にセレン受光素子をリング状に配置しており、あたかもオリン パスペンのようなデザインであった。CdSによる測光結果は、ファインダ ー内部の指針で読み取ることができる。 シャッタースピードは1/30〜1/650の間で自動的に変化する。ファイン ダー内部の表示によると、シャッター速度は1/30、1/60、1/125、1/250、 1/500、1/650の6段階に変化するようだ。この設定は、MICRON初代機の最 高シャッタースピードである1/800を1/650に変更したものとなっている。 なお、マニュアルモードも備えており、この場合にはシャッタースピード は1/30固定となる。この時、絞りは16、11、8、5.6、4、2.8 の6段階に セット可能となる。 メカの一部が電子化されていることにより、このカメラには電池が必要 だ。本体底面にボタン電池を格納するスペースが設けられている。フィル ム交換の際は、フィルム巻上げノブを引っ張り、裏蓋を開閉する。裏蓋に はヒンジが付いており、初代MICRONのように蓋全体が外れるというわけで はない。フィルム巻上げはレバーで行う。 MICRON2に搭載されるレンズはINDUSTAR-81、38mm/F2.8である。レンズ の周囲には、フィルムの感度設定用のリングが設けられているが、初代 MICRONでは、これがカメラ本体上部に搭載されていた。なお、初代MICRON に搭載されていたレンズは、HELIOS-89、30mm/F1.9である。 ここに掲載したモデルは、「キエフ市建設1500年記念モデル」と思われ カメラ上面に捺印が施されている。ロシアカメラとしてはコンパクトにま とまっており、アクの強さも見受けられない。飽きのこない、オーソドッ クスなデザインと言えるであろう。
メーカー | FED社 |
モデル名称 | FED MICRON2 |
製造期間 | 1978 〜1987 年 |
総生産台数 | 34,946 台 |
掲載モデルの製造年 | 不明 |
掲載モデルのシリアル番号 | 000183 番 |
シャッタースピード | B、1/30〜1/650 で自動的に可変 |
搭載レンズ | Industar-81(f2.8/38mm) |
搭載レンズのシリアル番号 | −−− |