FED社が発売した小型カメラ、MICRONシリーズは、1967年にプロトタイ プが登場して以来、1987年に至るまで15万台余り製造された。MICRONシリ ーズは、初代とMICRON2の2タイプが存在する。大きな違いは、初代機は ハーフサイズフィルムを用いていたが、MMICRON2からは35mmフルサイズと なった点である。 MICRONシリーズのプロトタイプ版は1967年に登場した。その翌年の1968 年にはプレ・リリース版を出し、1968年〜1986年の期間中に初代モデルが 約12万台余り発売されている。一方、MICRON2は1978年〜1987年の間に、 わずかに34,946台しか製造されていない。MICRON2は、ロシアカメラの世 界にあっては、非常に製造台数が少ないモデルであり、現在ではレアモデ ルとして珍重されているようだ。 FED MICRONは、レンズ周辺にセレン受光素子を配したハーフサイズのカ メラで、その外観はまるでオリンパスペンEEのようである。測光は自動 となっており、オートモードに設定しておくと、光量に応じてシャッター スピードが変化する。光量不足の場合には、ファインダー内部に「赤ベロ 」ならぬ「赤帯」が表示され、シャッターは降りない。 ファインダー内部には、左サイドに被写体までの距離が、また右サイド にはシャッタースピードが、共に指針で表示される。シャッタースピード は1/30〜1/800の間で変化するが、ファインダー内部の表示を見ると、 1/30、1/60、1/125、1/250、1/500、1/800の6段階に変化するようだ。 ピント調節はレンズ下部のレバーで行なうが、1mから無限遠まで、一 応4つのノッチが付いている。もちろん、ノッチの間に設定することも可 能だ。マニュアルモード時に設定すると絞り優先となり、手動で1.9〜16 までの絞り値を設定できる。また開放モードも搭載している。 本体上面にはASA感度表示窓があり、感度設定はファインダー横の縦 方向のダイアルで行なう。フィルムの巻上げはレバー式。裏蓋は、全体が 外せるタイプ。標準搭載されるレンズはHELIOS-89、30mm/F1.9。
メーカー | FED社 |
モデル名称 | FED MICRON |
製造期間 | 1968 〜1986 年 |
総生産台数 | 120,796 台 |
掲載モデルの製造年 | 1978 年 |
掲載モデルのシリアル番号 | 7813302 番 |
シャッタースピード | B、1/30〜1/800 で自動的に可変 B、1/30、1/60、1/125 1/250、1/500、1/800 |
搭載レンズ | HELIOS-89、30mm/f1.9 |
搭載レンズのシリアル番号 | −−− |