■ FED FED−5 ■


FED-5 外観


                                 
 FED-5は、FED-3 Type-bの発展系としてFED-5Bが製造された後、FED-5、
FED-5Cがラインナップされた。FED-5Bには露出計が内蔵されていないが、
残りの2機種には内蔵されている。製造年月日と製品のタイプをまとめる
と以下のようになる。                       
FED-5B 1975 − 1990 226,343 台製造
FED-5 1977 − 1990 650,000 台製造
FED-5C 1977 − 1990 225,000 台製造
                                 
 ここに掲載したFED-5は、黒いパネルの上にキリル文字でFED5のロゴが 
記載されたタイプである。本来のFED-5では、この部分のパネルはシルバ 
ーとなっており、ロゴも角ばったタイプのフォントが使用されている。本
製品は、FED-5のバリエーションモデルである。パネルの色は、黒の他に 
白もあった。またロゴのフォントも、キリル文字の他にラテン文字やオリ
ンピック記念仕様のものも存在した。                

 FED-5は、FED-4同様、正面から見るとかなり大きなカメラに見える。あ
たかもブローニー版のカメラのような堂々とした押し出しだ。これは、か
なりの大きさを占めるセレン受光部を正面に配置した結果であるが、その
ためお世辞にもスマートなデザインとは言えなくなっている。どちらかと
いうと、野暮ったくて田舎臭い風体ではあるが、そこが逆にロシアカメラ
としての魅力でもある。                      

 軍艦部分の数値表示は、赤、黄、緑と色とりどりで記載され、なかなか
華やかでPOPな感じだ。軍艦部には露出計が備わる。露出計の左側には
露出計のダイアルに相当するリングがある。このリングを回して露出計が
指し示す数値に合わせれば、絞り値とそれに適したシャッター速度が得ら
れるようになっているのだ。すなわち、自動露出では無くあくまで手動露
出となっている。                         

 ファインダーは、若干緑色がかってはいるものの、くっきりとして見や
すい。ファインダー中央部の丸い領域で、二重像を合致させてピント合わ
せを行う。フイルムの巻上げはレバー式。シャッタースピード設定は、 
1/30のみ赤文字で記されている。X接点はアクセサリーシューの下側に配
置されている。吊り管は搭載されていない。             

 本機に搭載されているレンズは、INDUSTAR-50、50mm/F3.5であったが
資料によればFED-5シリーズにはFED-INDUSTAR-61L/D、53mm/F2.8が標準
で搭載されていたようである。FED-5B、FED-5には、1980年のモスクワオ
リンピックを記念し、オリンピックロゴの入ったモデルも発売された。 
メーカー FED(フェド)社
モデル名称 FED−5
製造期間 1977 - 1990
総生産台数 650,000 台
掲載モデルの製造年 1977 年
掲載モデルのシリアル番号 125027 番
シャッタースピード
B、1、1/4、1/8、1/15、1/30、1/60、
1/125、1/250、1/500
搭載レンズ INDUSTAR-50、50mm/F3.5
搭載レンズのシリアル番号 N7695465
搭載レンズのマウント形式 ライカ・スクリューマウント

FED FED-5 正面


FED FED-5 上面


FED FED-5 背面


FED-5 ロゴのアップ


FED-5 底面パネル


裏蓋を開いたところ


軍艦部分のアップ#1(露出表部分)


軍艦部分のアップ#2(シャッター速度設定部分)


<<< Menu Page