FED-3シリーズにはType-a、3L、Type-b、L/Dの4種類が存在する。ここ に掲載したモデルはType-aの発展型として製造されたType-bである。 FED-3シリーズは比較的長寿命の製品で、1961年にType-aが発売された後 最終モデルであるL/Dが発売されたのは1980年であった。この19年間に製 造された台数の総計は不明。おそらく夥しい数に上るものと思われる。 FED_3 Type-bは、Type-aの軍艦部デザインが変更され、フィルム巻上げ レバーが備わった。Type-aではフィルムの巻き上げをZORKI-1のようにダ イアルで行っており、軍艦部にも段差が付いた古風なデザインとなってい たが、Type-bからは軍艦部の凸凹も無くなり、より近代的でスマートな外 観となっている。反面、ロシアカメラとしての怪しい雰囲気は薄まってい ると言える。 面白いことに、FED-3 Type-bは、前シリーズであるFED-2 Type-eと同じ 外観である。実は、FED-2 Type-eはFED-3 Type-bのエコノミーバージョン として発売されたものであり、FED-3 Type-bから低速シャッターが除かれ たモデルなのである。要するに、FED-2の最終モデルであるType-eは、実 はFED-3 Type-bの弟と言うこともできるのだ。このように、FED-2の後期 モデルと、FED-3の前期モデルとは、微妙に交錯していて、複雑である。 ああ、ややこしい! ところで、FED-3のType-aとType-bとでは、標準搭載されるレンズが変 更されている。Type-aではINDUSTAR-26m、52mm/F2.8が搭載されていた が、Type-bではINDUSTAR-61、52mm/F2.8となっている。また、ロゴはキ リル文字と英文字の2種類が併記されている。 FED-3 Type-bは、1963年〜1972年の9年間に渡って製造されている。 Type-aには無かったスローシャッター機能が付いており、B、1、1/2、 1/4、1/8が設定できた。フォーカスはファインダー中央の二重像を合致さ せるタイプであるが、視野が明るいため合わせやすい。本体にはシンクロ 接点とセルフタイマーも用意されている。なお、本体には吊り環は付いて いない。
メーカー | FED社 |
モデル名称 | FED−3(type−b) |
製造期間 | 1963 〜1972 年 |
総生産台数 | 多すぎて不明 |
掲載モデルの製造年 | 不明 年 |
掲載モデルのシリアル番号 | 8636008 番 |
シャッタースピード | B、1、1/2、1/4、1/8、1/15、 1/60、1/125、1/250、1/500 |
搭載レンズ | FED-INDUSTAR-61、52mm/F2.8 |
搭載レンズのシリアル番号 | 8658350 |