■■■ SANYO SACOM MINI CX-2107C (1970年後半) ■■■

写真1:SANYO SACOM CX-2107C 本体外観


写真2:SANYO SACOM CX-2107C FIP表示
■SANYO SACOM MINI CX−2107C        
                                   
 三洋電機株式会社製造の12桁可搬型電卓、CX−2107C。内部にニッ
ケルカドニウム充電池を搭載し、ACアダプタと内蔵電池の2電源で使用でき
た。12桁+記号1桁の表示は、緑色のFIPを採用している。消費電力は 
1.5W。ACアダプタはDC4.5V(350mA)、DC4.8V   
(100mA)出力のCU−13を使用する。              

 本体のシリアル番号は4701861。本体上部が黒で下部が白のツートン
カラーでサイドにシルバーのラインが入るデザインは、どことなくCasio
の電卓をイメージさせる。キーは丸型でクリック感は無く、若干カチャカチャ
とした軽いタッチのもの。四則演算に加え、%、√、メモリ機能を搭載してい
る。                                 
写真3:SANYO SACOM CX-2107C 本体正面


写真4:SANYO SACOM CX-2107C 本体側面


写真5:SANYO SACOM CX-2107C 本体背面


写真6:SANYO SACOM CX-2107C 本体裏面
                                   
 小数点制御はレバー式で、0,2,4、Fが設定可能。FIP表示の左側に
は、バッテリーの充電状態をモニタする赤いLEDが設けられており、充電が
必要となった際には、このランプが点灯する。本体右上にある電源スイッチは
故意かどうかはわからないが非常に操作しにくい。おそらくスイッチ上部に付
いていたレバーが紛失してしまったためと思われる。ケース下部には折りたた
み式の足が付いており、電卓本体に傾斜を持たせるようにできている。   

 電源コネクタはGNDを含む専用タイプのもの。本体外寸は、21×   
13.5×5cmとなっている。残念ながら本体内外に製造年月を示す表示が
無いため、いつの製品であるのかは不明。しかし、ロジック部分が完全にワン
チップ化されていること、FIP表示管を採用していること、また全体的なデ
ザインの雰囲気から、70年代後半であるものと思われる。部品数が少ないた
めか、持った感じは予想以上に軽い。                  


写真7:本体背面にある銘版のアップ


                                   
 内部は非常にすきりとしており、キーボード基板とロジック&FIP表示基
板の2枚から構成となっている。既出のSACOM ICC1211と比較す
ると、デバイスの集積度の向上はすさまじいものがある。メインとなる電卓チ
ップは三菱製M58623−23P 5714 が1個使用されているのみ。
28PinのプラスチックDIPパッケージのLSIで、FIP表示制御も含
め完全にワンチップ化されている。そのほかにダイオードが8本、トランジス
タが4個、抵抗とコンデンサが少々といったところ。トランジスタは2SC9
45が使用されている。FIPはFUTABA製の13−BT−02Aという
製品が搭載される。ロジック&表示基板はワンチップ化が進んでいるためスカ
スカの状態である。FIPは記号桁も含め全13桁構成。全ての桁が1つのバ
ルブ内に封入されているタイプである。                 
写真8:SANYO SACOM CX-2107C 本体内部


写真9:ロジック基板全景


写真10:制御用メインチップ


写真11:内蔵のニッカドバッテリーパック


写真12:FIP表示
                                   
 ロジック&表示基板とキーボード基板とは、フラットケーブルで接続されて
いる。キーボード基板の上には内蔵のニッケルカドニウムバッテリが4本パッ
クとなって搭載されている。基板はいずれもベークライト製。アセンブリもデ
バイスも、コスト最優先の構成となっている。              

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