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写真3:SHARP ELSI-804 本体正面 |
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写真5:SHARP ELSI-804 本体側面 |
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写真6:SHARP ELSI-804 本体背面 |
定格は3W。シリアル番号は31009246となっていた。電源はACの
みの単一電源で、バッテリー駆動はできない。表示部分に7セグタイプの蛍光
表示管を使用しているため、バッテリー駆動は難しかったものと思われる。
電源をONにすると、自動的にゼロリセットされずエラー表示となる。従っ
て最初に行うことは、クリアキーを押すことだ。シャープの電卓のキーボード
は、非常に重くコクコクとした感触なのが特徴であるが、この電卓はコスト優
先のためか、それよりは若干軽いタッチのものとなっている。しかし堅牢性は
損なわれておらず、30年近く経過した現在でもチャタリングは皆無だ。
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写真8:本体裏面にある銘版のアップ |
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写真9:本体上面のロゴのアップ |
本体内部を見ると、演算機能はほぼワンチップ化された構成となっている。
本製品の正確な製造年月日は不明であるが、使用されている部品から推測する
と、おそらく昭和49年(1974年)頃の製品と思われる。
メインとなるチップは、シャープのロゴが入ったSD3276。「3C 0
32」という捺印が見られるが、製造年月は明らかではない。チップは28P
inのセラミックDIPパッケージで、上部にメタルキャップのついた古風な
もの。蛍光表示管表示ドライバICとして、東芝製TM4356Pを2個使用
している。20PinのプラスチックDIPパッケージである。このほか、東
芝製TD2007P(14Pin DIP)と日立製HD3253P(14P
in DIP)がそれぞれ1個ずつ使用されている。
使用デバイスは、総計5個のICの他には集合抵抗が4個と若干のCRのみで
簡素な構成となっている。基盤はベークライト製。キーボードはメイン基板に
覆いかぶさるように配置されており、数字部分と演算記号部分とが分離された
構造となっている。演算記号部分のキーボードには、2個の使用されていない
キーがあったが、これは機能拡張時の予備と考えられる。(おそらくはメモリ
機能搭載モデルのための設計と思われる。)
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写真10:SHARP ELSI-804 CS-12A 本体内部 #1 |
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写真A:SHARP ELSI-804 CS-12A 本体内部 #2 |
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写真11:SHARP ELSI-804 ロジック基板全景 |
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写真12:メインICのアップ |
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写真13:ロジック基板のアップ |
表示は7セグタイプの蛍光表示管で、1桁1本の構成となっている。発光色
はグリーン。9本の蛍光表示管は、メタルのフレームで固定されている。メタ
ルフレームには、さらに4個の蛍光表示管を搭載する余裕があるので、この部
分は12桁電卓と共通の部品を使用していると考えられる。蛍光表示管はフタ
バ製であった。なお、この電卓ではシャープに特有のあの独特な雰囲気を持つ
フォントが採用されていない。古いシャープの電卓を見慣れた目には、少し寂
しい気もするが、汎用部品を使用する方が、おそらくはコストメリットがあっ
たためと思われる。
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写真14:蛍光表示管のアップ |
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写真15:キーボードユニット裏アップ |