SANYO CX-2209C (1980年代初頭) |
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三洋電機株式会社が発売した12桁FIP表示のデスクトップ電卓、CX-2209Cである。正確な製造年は不明であるが、使用されているチップ構成と演算機能の豊富さから考えると、おそらく80年代初頭のものと思われる。 17.8×12.2×3.5cmの筐体で、薄型に出来ている。本体重量は423g。電源はACのみで、本体背面にACコード接続用のコネクタが設けられている。ACコネクタ形状はメガネタイプの一般的なもの。仕様的にはかなり豊富で、四則演算の他にメモリ機能、√演算、%演算、Σ演算などが内蔵されている。キーは極めて堅牢で、コクコクとしたタッチであり、事務用電卓としては極めて実用的だ。デザイン面での面白みは少ないものの、キーがブロック状に分割されており、キートップが丸くなっているところなど、現代の電卓には無い造形も見て取れる。 本体は前面パネルがアイボリー、背面カバーがこげ茶色の2トーン。もっとも、前面パネルは陽に焼けてしまい、すっかり黄色と化してしまっている。本体裏面には傾斜を付けることができるスタンドが搭載されている。 本体裏面の銘版には以下の記述がある。
SANYO CX-2209C
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写真3.SANYO CX-2209C 本体正面 |
写真4.SANYO CX-2209C 本体側面 |
写真5.SANYO CX-2209C 本体背面 |
写真6.SANYO CX-2209C 本体裏面 |
写真7.SANYO CX-2209C 本体裏面銘板のアップ |
本体内部は極めてシンプルだ。この電卓がAC駆動であることを考えると、電源回路が簡素なことに驚かされる。メインLSIはNEC製のμPD1220C。FIPのドライブも含めて、全てを1チップで処理しているため、周辺部品は極めて少ない。42 Pin のプラスチックDIPパッケージで、製造年の捺印は無いが、K7Z056の表記がある。 電源回路には小型の電源トランスを内蔵しており、整流はダイオードがブリッジ状に使用されている。AC駆動電卓には珍しく、本体内部にNi-Cdの充電池が内蔵されている。Type 2N-450と表記された充電池は2.4V、450mAの製品で、おそらく本電卓に内蔵されているカレンダー機能のバックアップ用と思われる。充電池が得意な三洋らしい付加機能と言えるであろう。 本体背面カバーの裏側には、JAPAN R-3972331の刻印があった。この頃の電卓は、内蔵機能は全て使用する演算LSIにより決定されてしまっている。
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写真8.SANYO CX-2209C 本体内部 |
写真9.SANYO CX-2209C メインロジック基板全景 |
写真10.NEC製演算用LSI、μPD1220C。 |
写真11.電源回路周りのアップ。 本体内蔵の充電式Ni-Cdバッテリが見える。内蔵されているカレンダー機能のバックアップ用充電池である。 |
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