■Canon Canola L100A キャノン販売株式会社の電卓「CANOLA L100A」である。製造は 1972年の前半。10桁のオレンジ発光FIP表示を持つ、ベーシックな電 卓である。外寸は20×16×6cm。コンパクトなボディの中には電源トラ ンスまで内蔵してあるため、持った感じはずっしりと重い。非常に几帳面で機 能的なデザインをしており、今見ても飽きのこない優れたものである。 本体背面には、持ち運びに配慮した格納式取っ手が付いている。電源はAC のみ。電源コネクタは3Pの特殊仕様。電源コードは取り外し可能のタイプで ある。定格は7W。シリアル番号は135649。本体裏面にはCanonの 保証書が貼付されている。
内部はTI社の電卓専用LSIを2個搭載しており、比較的シンプルな構成 となっている。数字表示はオレンジ発光のFIP(蛍光表示管)を採用してお り、数値10桁+オーバーフロー1桁の、合計11桁構成。FIPモジュール のメーカーはJRCである。FIPドライバは、6248×2個、6249× 1個、5305×1個で構成されている。いずれもドライバチップを内蔵した モジュールである。 メインとなるLSIはTI社製TMC1824NCとTMC1825NCで 共に40Pin DIPパッケージ。1972年11週の製造。メインのロジ ック基板はガラエポ基板を採用している。
キーボードは磁石によるリレースイッチを採用しており、コスト的には高く 付くがチャタリング等は一切発生していない。基板上にはガラス管に格納され たリレースイッチと磁石がむき出しで搭載されており、その動作原理が良く確 認できる。 なお、本体内部には、下記のシールが貼付されていた。 ABS 47.4.20 中央・福島 接 着 47.4.22 中央・福島