■Canon Canola 1200 キャノン販売株式会社の電卓「CANOLA 1200」である。12桁の ニキシー管表示を持つ大型電卓で、外寸は33.5×25×5cm。四則演算 機能と小数点表示制御(0,2,4)を持つ、機能的にはたいへんシンプルな 電卓だ。デザインはキャノン電卓に共通するクールなもので、機能的にまとま っている。キータッチは多少カチャカチャした感があるもののチャタリングや 接点不良は全く無く、しっかりとしている。シリアル番号は114985。 定格は13Wとなっている。
本製品がいったいいつ頃の製品であるかは不明だが、おそらく1970年頃 のものと思われる。電源をONにすると、12桁全てのニキシー管が「9」を 表示する。このことから、制御回路はディスクリート部品で構成されているこ とが伺われる。パワーオンした後、一度「C」キーを押してから計算を行う。 なお、ニキシー管は使用していない桁も「0」が常時点灯している。
内部構造はメイン基板が2枚構成となっており、ロジック部のほとんどが下 の基板に格納されているので、使用デバイスの詳細については不明である。 上に出ている基板は、ニキシー管のドライブ用なので、比較的単純な構成とな っている。上側の基板には、以下のデバイスが搭載されている。 TI SN4554 ×3個 TI SN3952N ×2個 東芝 T4021A ×1個 日立 2SC857 ×18個 また、ニキシー管の裏側には、各桁ごとに小さなドライブ用トランスと日立 の2SC857が1個、ドライブ用として搭載されている。ニキシー管は長さ 3cm、太さ1cm程度の大型のもので、12個使用されている。オーバーフ ロー表示はネオン管で行っている。 電源回路基板上には、手書きでCR等の部品記号、電圧表示が記載されてい る。キーボード部分は磁石によるリレー方式を採用しているが、ガラス管に入 ったリレースイッチとキーに取り付けてある磁石が露出しており、なかなか豪 快な作りになっている。この方式のキーボードは極めて堅牢で、製造後30年 以上が経過しているにもかかわらず誤動作は皆無である。