Casio Model 121-L (1973年) |
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Casioの12桁青色蛍光表示管電卓、121-Lである。既出の101-Lとはデザイン面ではほとんど同じであるが桁数が10桁→12桁に増加していることと、メモリ機能が内蔵されている点及び[%]演算が追加されたところが異なる。101-Lではオレンジ色のFIP表示管を採用していたが、121-Lでは青色の蛍光表示管を搭載している。電源をONにすると、12桁全部にCasio特有の「下付きのゼロ」が表示される。数値を入力すると、下位桁から入力された値が表示されるが、ゼロ表示は消えないようになっている。 機能面では、√121-Eから√演算機能を省いたものとなっている。デザイン的には一連のCasio 101、121シリーズと共通しており、外装の配色も同一である。外寸は18×21×7cm。本体裏面の銘板によると、定格電力は7W。シリアル番号はB 615618。QC No.はQ86907となっていた。電源コードは着脱式で、本体背面中央に専用のコネクタが配置される。小数点制御は本体キーボード横のレバーで行い、0、1、2、3、4、6が選択可能となっている。浮動小数点、四捨五入、切り捨て制御も可能だ。
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写真3.Casio Model 121-L 本体正面 |
写真4.Casio Model 121-L 本体側面 |
写真5.Casio Model 121-L 本体背面 |
写真6.Casio Model 121-L 本体裏面 |
写真7.Casio Model 121-L 本体裏面銘板のアップ |
写真8.Casio Model 121-L キーボードのアップ |
写真9.Casio Model 121-L ロゴのアップ |
演算用LSIはメインにNEC製μPD174Bを使用している。この石はセラミックパッケージの42 Pin LSIで、丸いメタルキャップが付いた古典的なICだ。その他に、同じNEC製プラスチックパッケージの24 Pin ICが搭載されているが、型番は絶縁スポンジに覆われて確認できない。また、日立製HD3219P 24 Pin プラスチックパッケージも搭載されている。 電卓専用のワンチップLSIが登場する直前の製品であり、複数のLSIとICとから構成されている。基板はガラスエポキシ製。LSIの他に11個のICが搭載される。表示は桁別に分かれている蛍光表示管で、7セグタイプの製品を使用している。蛍光表示管は基板に直接ハンダ付けされ、チューブは鉄製のホルダーで固定されている。数字表示管は12本で、一番左側の桁の床に、オーバーフロー等の際に用いるネオンランプが付いている。 キーボードは磁石リレーを採用している。基板はKYOEI製。本機の製造年だが、筐体裏面に48 3 30の捺印があったところから、昭和48年製(1973年製)と思われる。
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写真10.Casio Model 121-L 本体内部構造 |
写真11.Casio Model 121-L ロジック基板全景 |
写真12.キーボード基板裏面 |
写真13.キーボード基板メカ部分アップ |
写真14.ロジックIC搭載状況 |
写真15.演算用LSI、NEC製μPD174B |
写真16.蛍光表示管部分 |
写真17.蛍光表示管のアップ |
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