Casio Model 101-S (1972年頃) |
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Casioの101シリーズの一つ、101−Sである。機能的には前出の101−Aとほぼ同じであるが、表示装置が10桁の青色蛍光表示管であるところが異なっている。外形のデザインは、一連の101シリーズと共通したもので、Casioのロゴも旧ロゴを採用している。電源はAC100V駆動。消費電力は7.8VAとなっている。シリアル番号は614365、QC番号はQ091532となっている。正確な製造年月は不明であるが、本体内部の基板上にシルク印刷された数字から判断すると、1972年頃の製品と思われる。 キー配置は101−Aと同様。メモリ機能も内蔵している。キーは磁石によるリレー接点タイプ。小数点制御レバーは0,1,2,3,4,6が設定可能で、四捨五入/切捨て切り替えレバーも備わっている。外寸は18×21×7cm。電源トランス内蔵型で、AC電源コネクタは本体背面の中央に位置している。ACプラグは通称メガネタイプのもの。コードは取り外し可能なタイプである。
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写真3.Casio Model 101-S 本体正面 |
写真4.Casio Model 101-S 本体側面 |
写真5.Casio Model 101-S 本体背面 |
写真6.Casio Model 101-S 本体裏面 |
写真7.Casio Model 101-S 本体裏面銘板のアップ |
メインとなる論理回路は、LSI5個から構成されている。使用されているデバイスは、ほぼ全て日立製品である。使用LSIは、以下の通り。
HD3210P (24PIN DIP) 上記デバイスの他に、16PIN DIP ICが8個使用されている。メインのロジック基板はガラスエポキシ製。表示部分はベークライトの別基板となっており、桁別に分かれた7セグタイプの蛍光表示管が10本搭載されている。マイナス/オーバフロー表示は専用のLEDで表示される。蛍光表示管表示は、Casio特有の下付の「0」を採用している。 キーボードとメインロジック基板とは、2個のコネクタで接続されている。キーボードは磁石によるリレータイプ。メイン基板もキーボード基板もKYOEI製品。電源トランスは蛍光表示部の後側に位置しており、電源回路もここに搭載されている。使用されているLSIの番号こそ異なるが、内部構造はModel101−Aとほとんど同じになっている。旧型のニキシー表示管を7セグタイプ蛍光表示管に変更することでコストダウンを図ったモデルであると思われる。
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写真8.Casio Model 101-S 本体内部 |
写真9.Casio Model 101-S メインロジック基板全景 |
写真10.メインロジック基板のアップ |
写真11.演算用LSIの一つ。日立製LSI、HN3205P |
写真12.蛍光表示管表示ブロック |
写真13.キーボードメカ部分裏側 磁石によるリレー方式を採用している。 |
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