FIAT 500 は、500 トポリーノの後継車種として、1957 年に発表された。1955
年にデビューした 600 と同様、リア・エンジン方式を採用していた。トポリ 
ーノとの区別を付ける意味から、当時はヌオーバ(ニュー)500 と呼ばれてい
た。設計者は有名なダンテ・ジアコーザである。             
初代 FIAT 500 は総排気量 497cc であったが、1960 年に発売された 500D か
らは 499.5cc に拡大された。その後、1965 年には、500F が発売され、さら 
に 1968 年には 500F のデラックス仕様とも言うべき 500L が発売される。 
1972 年には、500F の後継車種である 126 がデビューするが、それと同一の 
594cc のエンジンを搭載し、500R として 1975 年まで生産された。この空冷 
リアエンジンの FIAT 500 シリーズは、全部で 400 万台以上が生産されたと 
いわれている。                            

以下に、FIAT 500L の主要スペックを示す。               
項 目
内 容
モデル 
生産時期 1968 〜 1972
ボディタイプ 2ドア・サルーン
構造 スティール・モノコック
車輌形式 500L
全長×全幅×全高 (mm) 2970×1320×1335
ホイールベース  (mm) 1840
トレッド前/後  (mm) 1121/1135
車輌重量     (kg) 520
エンジン 
形式 空冷直列2気筒OHV
ボア×ストローク Φ67.4 ×70.0 mm
搭載位置/駆動輪 リアエンジン/後輪
総排気量 (cc) 499.5
燃料供給装置形式 ウェーバー26IMB4、ソレックス28IB2
圧縮比 7.1 : 1.0
最大出力 18 PS / 4600 r.p.m.
最大トルク 3.1 kg-m / 2200 r.p.m.
トランスミッション 
形式 4段M/T
変速比 1速 3.700
    2速 2.067
    3速 1.300
    4速 0.875
後退変速比 5.125
ステアリング 
形式 ウォーム・アンド・ローラー
サスペンション 
フロント ウィッシュボーン+横置リーフ
リア セミトレーディングアーム+コイル、独立懸架
ブレーキ 
フロント ドラム
リア ドラム
タイヤ 
前輪 F3.5J×12+125-12
後輪 F3.5J×12+125-12

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