このページは FIAT 500 についてのモロモロのことについて、支離滅裂に書い
てあります。どうでもいいようなことばかりですので、暇潰しにどうぞ!  

1.チンクェチェントに乗る際の始動儀式

チンクェチェントに乗る時には、儀式とも言える行動が必要になります。  
「何を大袈裟な!」と思われる方もいるかと思いますが、筆者は毎回ここに示
したような儀式を執り行なっているのです。ま、冗談半分に書いてあるので暇
潰しにどうぞ!                            


1.当日の天候を確認します。                      チンクェチェントに乗る際は、まず第一に当日の天候を確認します。チンクェ チェントはブレーキの効きも弱く制動距離も長いです。おまけに筆者のチンク ェチェントは「ド」がつくほどオリジナルなので、タイヤも125という、情 けないほど細いラジアルタイヤを履いています。これじゃあ、グリップも知れ たものですね。さらに、筆者の車はワイパーが弱い!フロントガラスを拭いて いるのか汚しているのか、わからないというシロモノなのです。というわけで 雨の日には乗らないという前提条件が出来上がってしまいました。イタリアの 大衆車なんだから雨の日だろうが雪の日だろうが、ガンガン乗り回してしかる べきなのですが、、、、、あと、車が汚れるからという理由もありますね。ま だオールペンして間も無いので、やっぱピカピカにしておきたいっす。    2.当日の体調を確認します。                      チンクェチェントの運転には、意外に体力と神経を使います。まず、いつ壊れ るかわからないという精神的不安感。何が起こっても動じない平常心が必要で すね。またチンクェチェントは空冷なのでエンジン音がうるさいし、夏は暑い し、乗り心地は決して良いとは言えません。ルーフをオープンにしておくと、 トラックだのダンプだのの排気ガスが容赦無く室内に入ってきます。田舎道を 走れば、肥しの臭いが室内に充満します。(まだ走ったこと無いけどね。)こ れらに打ち勝つためには、健全な体調が不可欠となります。絶対的パワーが無 い車なので、回りの車に煽られたりしないよう、運転に気を使うといった面も ありますし。とにかく、体調が不調の時のドライブは、チンクェチェントに限 らず危ないので止めておいた方が良いですね。               3.駐車場に向かいます。                        筆者はチンクェチェントを少しでも長持ちさせるため、贅沢にも屋根付きの駐 車場を確保しました。この駐車場が結構遠いところにあるのです。自転車で5 分くらいといたところでしょうか。坂道もあるので、運転前の準備運動にはぴ ったりですね。                             4.運転席のドアを開けます。                      こんなこと、わざわざ書くなよとおっしゃるかもしれませんが、筆者のチンク ェチェントは、ドアのキーがウルトラ渋いのです。突っ込んで探りを入れなが ら左右に軽く回してみて、キーを外さなくてはなりません。もともとこんなに 硬いハズではなかったと思うのですが、やはり経年変化で劣化してしまったよ うです。反面、一発で開くと何か気持ちが良くなります。逆に、に何度回して もなかなか開かない時なんかは、まるで車泥棒がチンクェチェントを盗もうと しているようで、ハタから見てるとあまり格好良くありません。       5.フロントボンネットを開けて、ブレーキ液を確認します。        ブレーキ液を確認するために、まずフロントボンネットを開けます。運転席左 下にあるレバーをぐいと引いてロックを外します。その後、フロントボンネッ ト中央にあるラッチを手探りで外して、ボンネットを上に開きます。この際、 油が切れているので「キィィィィ〜」という、お化け屋敷のドアが開くような 音が出て、なかなか良い雰囲気を味わうことができます。リアエンジン車なの で、当然ボンネットの中にはエンジンがありません。以前聞いた話しで、フォ ルクスワーゲンのビートルに乗っていたオバサンが、ビートルのボンネットを 開けて一言、「きゃー!エンジンが無い!盗まれた!」というジョークを思い 出してしまいます。                           さて、ブレーキ液のリザーブタンクはフロントボンネット右側にありますが、 こいつがまた表面がすごく汚くて中身が良く見えません。購入した当時は、キ ャップを外して確認していましたが、最近ではタンクを軽く左右に揺さぶって 確認できるようになりました。いわゆる「慣れ」ってやつですね。      6.ボンネットをしっかりと閉めます。                  ただ単にボンネットを閉めれば良いだけなのですが、ラッチの部分が固いので きちんとロックがかかるように目視で確認しながら閉めます。こうしないと、 走行中にボンネットがバクンと開いて、笑うに笑えない状況に陥ることになり ます。実際、高速走行中にボンネットが開いてしまい、かなり焦った人もいる ようです。ロックを確実にするために、ボンネットと本体とをガムテープで貼 り付けるという猛者もいらっしゃるようです。               7.エンジンフードを開けて点検します。                 エンジンフードの鍵を開けて、機関の状況を確認します。フードを開けると、 ガソリンの甘い臭いがぷぅ〜んと漂います。チンクだなぁ〜と実感する一瞬で すね。最初の点検項目は、ファンベルトの張り具合です。10kg程度の力を かけて指で押してみて、約1cm程度たわめばOKということになっています が、まあ適当にチェックします。切れそうかどうかは、目視で確認です。人間 もチンクェチェントのファンベルトも、切れるとかなりヤバいです。次はオイ ルです。オイルゲージを抜いて、規定量が入っているかを確認します。筆者の チンクェチェントは、随分と余分なオイルを吹いたので、現状ではMinライ ンのちょっと上程度の量まで減ってしまっています。継ぎ足す必要があります ね。空冷の車なので、エンジンオイルの点検は重要です。空冷とはいっても、 実際はエンジンオイルが冷却の役割を果たしているため、オイル冷却とも言え ますね。高級なエンジンオイルを使った方が良いのか、マメに交換した方が良 いのかということよりも、まず第一に「オイルがちゃんと入っているのか」が 重要となります。これらを確認したら、あとはオイルの滲みや染みがないかど うかをチェックします。そうそう、アクセルペダルを戻すスプリングが弱って いないかも、一応見ておいた方が良いでせう。点検が終わったらエンジンフー ドを閉めますが、この際いざという時に備えてキーはロックさせません。   8.足回りを点検します。                        タイヤの空気圧不足、パンクやサスペンションの異常が無いかどうかを、外か ら車体を見て確認します。各ホイールの内側を覗いてみて、ブレーキホースが 痛んでないか、ブレーキ液が漏れてないかもチェックします。ついでに、車体 の下で猫が昼寝をしてないかもチェックしておきましょう。外側を見渡して、 シャシーが傾いてないかどうかも確認しておきます。ボンネットとエンジンフ ードを軽く押し下げてみて、ダンパーが効いているかどうかも確認します。  9.車内に乗り込みます。                        さて、次にいよいよ車内に乗り込みます。チンクェチェントに乗る日は天気が 良い日が原則なので、オープントップを開けます。開放感が断然違います。天 気の良い日にオープントップを閉めて運転するのは、罪悪に近いこととも言え ます。                                 10.エンジンを起動させます。                      始動キーをダッシュボード中央に差し込みます。このキーを左に倒すとアクセ サリ、右に倒すとONとなるので、とりあえずエンジンを起動させたいと思う 場合には右に倒します。なお、キーをONにしないと、いくらスターターモー タを回してもエンジンはかかりません。ここをONにしないと、スタータその ものも回らないようになっていると思うかもしれませんが、チンクェチェント の場合、ナント、スターターモータは常時通電となっているので、”いつでも 回ります”。                              キーを回さないでエンジンをかけようとしてしまうポカは、意外と良くやって しまうようです。さて、キーをONの位置にすると、メーター内の油圧警告灯 とジェネレーター警告灯が点灯します。同時にフュエルメーターが面倒くさそ うにゆるゆると上がってくるのが確認できます。次にクラッチを切り、シフト がニュートラルになっていることを確認します。右手下に位置している2本の レバーのうち、左側のチョークレバーをそっと引きます。引き具合は各車の状 態にも寄りますが、筆者の場合約半分程度が適量のようです。こうしておいて アクセルを2〜3回軽く踏み込みます。この作業は、キャブレターに残ってい る混合気を排出させるためだそうですが、正直なところは良くわかりません。 ただ、アクセルを踏み込むことによって、フュエルストレーナにガソリンがゴ ボゴボと上がってくるのを確認したことがあります。            ここでようやくエンジンの始動です。右手下にあるレバーの右側がイグニッシ ョンになっています。これを「おもむろ」に、しかし「やさしく」引きます。 最初は、かなり多く引かないとかかりません。少しずつキリキリと引っ張りあ げて行きます。あるところまで引くと、「クシュン、クシュン」という音と共 にスタータモーターが回転し始めます。実にやる気の無い音と回り方です。  「面倒だけどエンジン回してやっか。」といった感じの回り方なのです。   3〜4日乗らない場合には、セル一発で起動することは希です。ちょっとスタ ータを回してみて、かかりそうにない場合には少し休憩させてあげます。10 秒ほどお休みしてから再度レバーを引くと、今度は「ボッボッ」という音と共 にエンジンが回り始めます。かかったと思ったら、アクセルを数回踏み込んで 回転を安定させるように努力します。起動時には不完全燃焼となるので、白く てクサい臭いの排気ガスが出ますが、3回程度吹かしてやると、徐々に消えて いきます。エンジンの機嫌が悪いと、軽いバックファイアーが発生する時もあ ります。また真っ黒な煙が出る場合もありますが、チンクにはありがちなので 驚かないようにしましょう。ちなみに、始動時はかなり臭います。これはある 程度しょうがないことです。昔の車は、みんなこうだったのです。今の車が異 常とも言えるほどクリーンなのですね。だからエコとかNOxとかいった言葉 は、チンク乗りにとっては耳が痛いです。                 一回起動してしまえば、後は楽チンです。数分するとエンジンの回転が安定す るので、チョークレバーを1/3程度に戻してやります。この時、早く戻しす ぎると、ブスブスと文句を言うので、そんな時はまた半分程度まで引き直して アクセルを踏み込み、なだめながら回転を安定させます。回転が安定してきた ら、思い切ってチョークを全部元に戻します。今度は低く安定した回転に入り ます。と同時に、ジェネレータランプがうっすらと点灯していることを確認し ます。以上がエンジン始動の模様です。筆者が乗っているホンダBEATは、 キーを回すと勢い良くスターターモーターが回転し、セルが1回転するかしな いかのうちに瞬時にエンジンが起動しますが、それとは大違いですね。    11.アイドリングを行います。                      低回転で安定してきたら、夏場は5分程度、冬場は10分程度アイドリングを 行います。この間は、特にイベントも無いので、ただひたすら待つだけです。 それでは能が無いということで、この期間を利用して、電装形のチェックを行 うことにします。                            まず、ウインカーランプを出してみて、正常に点滅するかをチェックします。 次にブレーキペダルを踏み込んで、ブレーキランプの点灯を確認します。さら に、ヘッドランプを点灯させてみます。                  12.発進!                               アイドリングが終わったら、いよいよ発進です。ギアを1速に入れますが、こ の時入りにくいようならば、軽くダブルを踏んで突っ込みます。サイドブレー キの解除を忘れないようにしましょう。というのは、チンクはサイドが弱いの で、サイドを引いたまま発進できちゃうからです。発進の際、ちょっと加速が 悪いなぁと思ったら、サイドの戻し忘れですから要注意です。        いよいよ発進ですが、この時念のため時速10km程度まで加速した後、ブレ ーキを踏んでちゃんと停止するかどうかを確認しておきましょう。     
以上が、ちょっと大袈裟に述べたチンクェチェントの「始動儀式」です。ハタ から見れば面倒クサイことこの上ない作業ですが、やってる本人にとっては結 構楽しいから不思議ですね。                      

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