再度CT検査のため病院を訪問する。今回は造影剤無しのCTなので、朝食も摂って良く楽である。

■闘病日記 其の二十七【新規転移の件】 (2014/05/24)

 前回、造影剤を用いたCT検査を実施したが、1週間後の今日は、通常CTと結果告知のため病院を訪問する。入試に例えるのであれば、前回が筆記試験、今回が合否発表といったところだ、というのが、ここまでのあらすじ。

 今回のCT検査は造影剤を使用しないため、朝食も普通に摂って良かったので助かった。前回は腹ペコの状態で検査したからなぁ。CT検査そのものは、あっという間に終わる。今回は胸部中心の検査になっていたのだが、急遽胸よりも下の部分も同時に検査することになった。この段階で、何となくイヤな予感はしていたんだよね。世に言う「虫の知らせ」っちゅーヤツですか?

 CT検査後は結果の読影作業があるので、2時間ほど待たされる。その間ヒマなので、例の最上階にある自称「レストラン」に行き、1杯160円也のコーヒーを飲みながら、時間を潰す。こんなこともあろうかと思い、IT関連のガジェットは準備周到で持ってきていた。大画面のスマホはモチロン、made in HongKongの Goophone i9。それにクロッシィのLETモバイルWiFiルーターと、SANYOのモバイル充電バッテリーeneloop。最後のeneloopは、三洋電機製という所が味噌である。これだけあれば、思う存分ネットで時間を潰すことができる。

 待つこと2時間30分。漸く診察の時間がやって来た。診察室に入ると、先ず主治医から「最近の調子はどうですか?」と聞かれる。私は「すごく調子いいです。食欲もあるし、活動的になりました。」と、極めて明るい回答をした。。。にも関わらず、主治医の先生の顔色は暗い。これは何か有るな!と直観する。

 以前この闘病日記にも書いたのだが、私の主治医の外科医先生は、極めてラテンなノリの方だ。いつも前向きで明るい。しかし、何か今回はヘンなのである。何となく暗い。。。待つことしばし、先生は重い口を開いた。「・・・情況ですが、実はあまり芳しくありません。」

 一瞬、エッ?と思う間もなく、高解像度大型液晶ディスプレイに、例のJPEG2000と思われるCTのスキャン画像を写し出し、マウスでグリグリと動かしながら説明を始めた。結果から言うと、癌細胞は肺にも転移していたのだ。そもそもの発端であった大腸は完治した。肝臓も、前回の検査入院の際に怪しいと指摘された所は、実は水分が溜まっただけのことであるのが判明し、こちらも完治である。が、いつの間にか肺に転移していたのだ。これはやっかいなハナシになった・・・

 転移した部位は2ヵ所あった。うち1ヵ所は、昨年11月11日の造影剤CTスキャンの際に、極めて小さいが写っていた。しかし、これだけ小さいと気が付かない程度なので、判らなかったのだ。昨年撮影した画像と、今日の画像を比較して見ることで、ようやく癌の部分が大きくなっていることが判ったのである。もう一ヵ所は新規に転移したもので、こちらは一見してそれと判る大きさまで生長していた。

 私の通院している病院では、呼吸器外科が無い。そのため、主治医先生の後輩が勤務している別の病院にデータ一式を送り、今後の対応を検討することになる。

 肺にできた癌は、手術しやすい部分としにくい部分に分けられる。肺の壁面にくっついた状態の腫瘍は、比較的切除しやすい。しかし、肺の内部に浮かんでいるようなヤツは、どうにも始末に負えないそうだ。手術となると、一ヵ所は開胸、もう一ヵ所は胸腔鏡による処置になりそうである。また、あまり部位が小さいと切除できないので、抗がん剤を処方せず、ある程度の大きさになってから手術をするということであった。

 いずれにせよ、一難去ってまた一難。人生とはこういうモノである。早ければ来月中にも入院し、手術を行うことになる。アメリカの連続TVドラマに例えるのなら、ファーストシーズンが終了し、セカンドシーズンが始まったといった所かな?しかしこの闘病というドラマ、いったいどこまで続くのかが全く判らない。「24」みたいに、シーズン8なんてコトにはならないよう、切に願うばかりである。。。


病院最上階にあるレストランからの眺め。今日は天気は良かったが、霞んでいて富士山は見えなかった。

CT検査後、読影作業が終了するまでの間、一杯160円也のコーヒーを飲んで時間を潰す。このレストラン、コーヒーだけは、なぜかなかなか旨い。

今日は予め時間がかかることが予想されていたので、ヒマ潰しガジェットを持って行った。5.7インチのスマホ、Goophone i9、docomo xi モバイルWiFiルーター、SANYO eneloop モバイルバッテリーの3点セットで準備万端。

CT検査の結果、新たに見つかった肺の癌細胞。5mm程度の大きさだと言う。どうでもいいけど、自分の胴体の輪切り写真をブログに掲載するというのも、なかなかオツなものだと思う。ワタシとて、ヨタ記事ライターと言えどもプロの物書き。客観的かつ冷徹な視点を重視しているのだ。
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もう一ヵ所、生長してしまった肺の癌細胞。肺の壁面にへばり付くように出来ている。手術の際は、肺の内部に浮遊している癌よりも、こうして壁面に付いている癌の方が、切削しやすいのだそうだ。
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肺の壁面に付いている癌細胞の成長過程。右側の断層写真は、昨年の11月11日に行った検査結果。約半年前のものである。良く見ると小さな突起があるが、実はこれが癌細胞だった。この時には小さすぎて判らなかったのだ。左側の断層写真が今日撮影したもの。明らかに大きくなっておりますなぁ・・・
余談だが、こうした画像を貼っていると、某オボちゃんのストップ、もとい、スタップ細胞の差し換え画像みたいに思えてくるのは、ひょっとして気のせい?
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本日かかった医療費。同じCT検査でも、造影剤を使う場合とそうでない場合とでは、費用がかなり変わる。今回の検査費用は、驚くほど安い。
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病院最上階の眺望が余りにも良かったので、ついつい動画を撮影してしまった。ああ、また無駄なモノを撮ってしまった・・・(動画)

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