味の素製薬株式会社が発売している経腸栄養剤「エレンタール」と、味付けのためのフレーバー。約400ml程度のボトルには、80gの粉末が入っている。左手前のスティックシュガー状のものが、各種の味付けをするフレーバー。

■闘病日記 其の四 【経腸栄養剤】 (2013/11/10)

 検査前の絶食処方を受けている私は、当然のことながら、普通の食事を口から摂取するということができない。そこで、入院当日から点滴を付けっぱなしという苦行を強いられることになったのだが、それでも若干、栄養が不足気味になる。そのようなワケで、経腸栄養剤なる怪しげなモノを飲まされることになった。

 栄養剤の名称は、味の素製薬株式会社が発売している「エレンタール」というものだ。この栄養剤の形態には数種類有るが、私が服用したのはボトルタイプと呼ばれるもの。形状は、500ml のペットボトルのような格好をしており、内部に栄養剤の粉末が80g入っている。これを、200 〜 300ml のぬるま湯もしくは水に溶解させ、口から摂取するという、まあ言ってしまえば栄養ドリンクそのものである。

 栄養剤の作り方はカンタンで、最初に水を150mlほど入れ、バーテンダーよろしくシェイク・シェイクする。大体溶けたところで、再度水を足し、またシェイクすれば完了。1回300mlの補給で、約300kcal程度のエネルギーを摂取できる。

 看護婦さんがエレンタールを持ってきた際に、「フレーバー」という味付け粉末も一緒に置いて行ってくれた。「エレンタールは、そのままだとちょっと、(というかタイヘン)飲みにくいから、お好みに応じて味を付けるヨロシ。」とのことで、実に10種類ものフレーバーが用意されていた。余談だが、フレーバーと聞いて、素粒子・レプトンの種類を真っ先に思い出してしまう私は、完全に量子力学ヲタクである。きっと、「トップ」や「ストレンジ」、「ミュー」や「タウ」といった、ステキな名前が付いているのだろうと、勝手み妄想する。味の素も、なかなかイキなことをするものだと思ったが、当然、そんなこたぁ無かった・・・

 実際には、「ヨーグルト味」やら「コーヒー味」といった感じで、風味を付けるようになっている。フレーバーはスティックシュガーのような袋に詰められており、ボトルに水を入れる前に予め混合しておく仕組みだ。

 さて、私はこう見えも原理主義的な考え方の持ち主なので、飲みやすくするための便法などを最初から利用するのは、邪道であると考えた。よって、まず最初は、製品本来が持つ味を試してみることにする。

・・・無謀な試みであった。。。

 「不味い」とか言うレベルでは無い。この例えようの無い不味さは、今までに経験したことが無い。グリーンベレーだった頃のランボーであれば、何の苦も無く飲み干してしまうのだろうが、今の私では無理だ。(ランボーなら山羊の吐いたものでも喰うって、トラウトマン少佐が言ってたもんなぁ。。)

 しかし、こう見えて、私も結構意地っ張りなところがあるので、これはこれとして、我慢して300mlを飲み切った。二度と再び、このような過ちを犯さないよう、体に覚えさせなければならないからだ。

 そのようなワケで、次回からは旨そうなフレーバーを投入して飲むことにした。無理は禁物だよ。なお、後日管理栄養士の方から聞いたハナシなのだが、入院経験の長い患者には、複数のフレーバーを自分なりにブレンドして、それなりに美味しく頂いているというツワモノもおられるそうだ。そこまで突き詰めて初めて、「プロの病人」を名乗る資格を得るのだろう。私は別にプロの病人を目指してはいないので、もう少しおいしい経腸栄養剤が出てくることを、切に期待したい。。。

 因みに、私の好みのフレーバーであるが、「グレープフルーツ味」と「コーヒー味」の2つだった。フレーバーを入れれば、ガマンできる程度には味が改善する。この「エレンタール」は、患者の間でも有名みたいで、看護婦さんが「明日からエレンタールを飲んで下さいね〜」と言うと、ほとんどの患者は、それはそれは嫌な顔をするのが、面白かった。

( ゜∀゜)<アハハハハハ八八ノヽノヽ

(つづく)


味の素製薬株式会社が発売している経腸栄養剤「エレンタール」のボトル。

「エレンタール」には、取扱説明書が付いてくる。これは服用時の工夫について触れたページ。フレーバーは全部で10種類。
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「ヤギが吐いた物も食う」。トラウトマン少佐の名言ですな・・・




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