鶴見駅に停車する、鶴見線海芝浦行の車両。14時10分発の便に乗車したが、どうやらこれは臨時ダイヤだったようだ。時刻表には掲載されていない。

■海芝浦駅 (2013/07/01)

 WEB上で、とあるスレを見ていたら、

「もし仕事に行きたくなくなったら、そのまま反対の電車に乗って、海を見に行くといいよ→」

 というスレタイがあった。その中に、以下のような書きこみがある。

今日会社に行きたくなかったから武蔵小杉でシュウマイ弁当を買って
鶴見線の海芝浦駅の海芝公園で海を眺めながらシューマイ弁当を食って
今後の事を考えた。
ふっきれて明日辞表を出すのでよろすく。

 書き込んだヒトの境遇についてはさておき、「海芝浦駅」というのが妙に引っ掛かっていたのだ。この駅は、その手の人には有名で、曰く「JRの数有る駅の中で、最も海に近い」とのこと。好き者の撮影スポットにもなっているというハナシは聞いたことが有る。ほんじゃあ、さっそく行ってみようかなっと。ちょうど仕事も一段落しているし・・・

 というワケで、海芝浦駅を見るためだけに外出してきた。・・・しっかし、オレもヒマだねぇ。。。

('A`)

 JR鶴見駅で、鶴見線に乗りかえる。鶴見駅には14時05分頃到着したのだが、ちょうど14時10分発の海芝浦行に乗車することができる。あれ?でもこの便って、時刻表に掲載されていないぞ???そうなのだ。公式時刻表には、14時台には、鶴見発海芝浦行の便も、海芝浦発鶴見行きの便も、1本も無いハズなのである。実は鶴見線鶴見→海芝浦間のダイヤは、かなりアバウトな設定になっている。もともと、この路線はほぼ100%、「東芝京浜事業所」のために存在するようなものなのだ。海芝浦駅では、一応Suicaの自動出場機は有るものの、駅出口イコール東芝京浜事業所の入口となっており、東芝関係者しか出ることができない。更に怖ろしいのは、東芝側の利用者数に応じて、臨機応変に増便されるという、およそJRらしからぬフレキシビリティーも兼ね備えた運用をしている路線なのだ。

 実際、時刻表通りであれば、ほぼ50分間、鶴見駅で待ちぼうけを食わされたところだった。海芝浦駅発、鶴見駅行の便は、12時台と14時台には1本も無く、その他の時間帯も、朝夕の通勤時を除くと、基本的に1時間に1本という、ローカル線状態なのである。

 鶴見から海芝浦までは、駅数にしてたったの6つ。その中に、ユニークな駅名として有名な「国道(こくどう)」駅も含まれる。途中までは乗客もポツリポツリと居たのであるが、終点近くになると、この列車の中の乗客は、筆者一人になった!なんと贅沢な!オレのためだけに運行しているような錯覚に陥っちゃったりして、リッチな気分なのである。

 カンジンの海芝浦駅はといえば、文句なしに海に近くて期待通りである。ホーム上から海面へ、直接ダイブすることが容易にできる。もっとも、この海の汚れを見てしまうと、ダイブしようという気には到底ならないが・・・当日は梅雨の合間の曇り空で、湿気が高かった。海からは、磯のかおりがある湿った南風が吹きつける。往路の便は、海芝浦駅で10分程度停車した後、14時30分発の鶴見駅行として折り返す。

 行きはガラガラだったのだが、帰りは結構な乗客数だった。東芝の社員とか、パートのおばちゃんとかが乗りこんできて、賑やかになる。そうか。今日は海芝浦駅での乗客が多い日なので、この臨時便が運行しているというワケなのだな。

 駅の構造は、単式ホーム1面1線。ホームからは、首都高速湾岸線や、遠くに横浜のベイブリッジも見える。写真撮影をする人も筆者の他にはおらず、ゆっくりと見学できた。因みに筆者は鉄ちゃんでは無い。むしろ、乗車マナーを守らないような鉄ちゃんはキライである。今日は一人になりたかっただけなのだ。その点誤解しないように。。。


JR鶴見線車内に掲載されている路線図。鶴見線は結構複雑で、全部で3種類あるようだ。「鶴見−海芝浦」、「鶴見−大川」そして「鶴見−扇町」の3つである。一番短い路線が、「鶴見−海芝浦」ということになる。
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海芝浦駅構内の時刻表。乗ってきた便が掲載されていない。14時台は、時刻表上では1本も無いことになっている。ここで初めて、乗車した便が臨時ダイヤだったと判った。
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終点海芝浦駅に到着した車両。ご覧の通り、線路には雑草が生い茂り、ローカル線の雰囲気満点である。

鶴見線海芝浦駅の終点車止め。右奥に見えるビルが、東芝京浜事業所である。

駅ホームから横浜方面を眺める。遠くベイブリッジも見ることができる。しかし、ホントウに海に近い。海岸そのものである。

駅ホームから鶴見方面を眺める。

駅の出口は、東芝京浜事業所の入口に直結しているので、駅構外には関係者以外出られない。この駅を見学しに来た、同社以外の人は、手前にあるSuicaの出場機にタッチした後、同じく入場機にタッチして戻ることになる。

東芝京浜事業所側から駅のホームを見たところ。

Suicaの入場機。

Suicaの出場機。

鶴見駅に戻った列車。この電車は、折返し弁天橋行きとなる。これも、時刻表には掲載されていないようだ。

鶴見駅側の車止め。



 新芝浦駅を出発してから海芝浦駅へ到着するまでの眺め。のどかである。平和である。しかも、車内にゃオレ一人しかいない。因みに、画像が揺れているのは、電車がそれだけ揺れていたからだよ。



 海芝浦駅のホームから海岸を見わたす。首都高速湾岸線や、横浜のベイブリッジが遠望できる。

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