2台の「MERCURY U」。このカメラにぞっこん惚れ込んだ筆者は、バックアップも含め2台所有している。共に未整備のものだが、そこそこ元気に動く。メカものは強い!
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■MERCURY U (2010/05/15)

 ハーフ判クラシック・カメラとして、ディープなマニアには有名な「UNIVERSAL CAMERA MERCURY U」である。もともとこのカメラ、最初に世に出たのは戦前である1938年のことで、アメリカ・ユニバーサルカメラ・コーポレーションが製造したT型が初代製品だ。このT型であるが、かなりぶっ飛んだ商品企画であり、フィルムが同社オリジナルのものしか使えない!という言語道断仕様になっていた。その後第一次世界大戦開始と共に、フィルム製造を行っていた会社からの供給が途絶えがちになり、T型は姿を消す。

 戦後、1945年にU型が登場。このバージョンで漸く一般的なパトローネの使用が可能となる。このカメラ、どこが良いかというと、そのデザインに尽きるであろう。軍艦部上に搭載された半円形の突起が、このカメラの最大の特徴だ。このカメラには、ロータリー・シャッターという珍奇なメカニズムが搭載されているのだ。簡単に言うと、シャッターとして、スリットが設けられた二枚の円板を使用し、シャッタースピードに応じて、二枚のスリットの開き角を調整する、といった仕組みだ。当然、シャッター開口部は扇形になるので、シャッター開口時に上部が下部よりも露光時間が少なくなってしまうのではないでつか?って疑問が出てくるだろうが、そこは良くできていて、角速度が一定だから問題ないんだよね〜ってことになる。いやぁ、こういうヘンタイじみた仕様って、なんか香ばしくって良いよね!!!

 ヽ(´ー`)ノ

 またこのカメラ、メカフェチにはたまらない。ハーフ判のくせして、オールアルミダイキャストボディーを奢っており、その重量は実に600gにも達する。重い!重すぎる!!レンズはTRICOR f3.5。このレンズも実は交換式だったりして、地味にスゴイ仕様になっている。ハーフ判なので、通常の35mmの倍撮れると思われるが、実際フィルムカウンターには65枚までしか数字が無い。当然、駆動に電池は不要。全てメカ。全部メカ。どう見てもアナログです。もうホントウにありがとうございました!!!

 ロータリー・シャッターを格納する軍艦部の突起表面には、距離別の深度表が刻印されており、良い味出している。カメラ背面には、これまた手動でセットする搭載フィルムのメモと、円形の露出換算器が付いている。この露出換算器、どことなく関開発研究所が発売していた「セノガイドC」を彷彿とさせるものだが、操作が難しすぎて使ったことが無い。因みにフォーカスは目測である。

 筆者はこのカメラを手に入れた頃、ロシアカメラに凝っていた。当時はまだデジカメの品質がチープだったこともあり、銀塩写真を良く撮った。シャッタースピードを合わせ、絞りを調整し、ファインダーを覗いてフォーカスを合わせる(もしくは目測でフォーカスを合わせる)といった一連の作業は、そこそこ時間が必要で、1枚の写真を撮影するにも気合いが必要だった。今は押せば写るので、とりあえずバシャバシャ撮影しまくっている。これは堕落以外の何物でも無い・・・

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片方の背面パネルを開けてみたところ。シャッターは、ロータリー式メタルフォーカルプレーンで、スリットを搭載した二枚の円板を回転させることで露出する。
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Universal Camera MERCURY Uの正面。存在感抜群の軍艦部。ファインダーは、超見にくい。レンズ右上部のダイアルがシャッタースピード設定用。押し込んで回してセットする。左上部は、シャッターチャージ&巻き上げ用。その横に65枚までのメカニカル・フィルムカウンターがある。左下部のダイアルは、フィルムのリワインド時に用いる。
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Universal Camera MERCURY Uのバックパネル。セノガイドCのような露出換算器が搭載されているのが特徴。左下は、カメラに入っているフィルムの種類をメモするためのダイアル。意外に地味なところでギミックが効いている。
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カメラのバックパネルを開けたところ。ロータリー式メタルフォールプレーンシャッターが見える。開口部はハーフサイズ。この部分に、二枚あるシャッターのうちの一枚が見えている。巻き上げてシャッターを押すと、スリットが入った2枚の円板が、設定されたシャッタースピードに応じた角度で開きながら回転するという仕組み。
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ロータリー式メタルフォーカルプレーン・シャッターを格納する軍艦部の突起表面には、距離別の深度表(1/2ページ)が刻印される。もう半分は、正面に刻印されている。これを見るだけで、コイツただモノじゃねぇや、ってくらいの迫力がある。
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カメラバックパネル裏側に刻印された文字。圧板の上に「UNIVERSAL CAMERA CORPORATION NEW YORK U.S.A.」の文字がエンボスされている。
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カメラバックパネルに搭載された露出換算器。セノガイドCのような構成で、撮影条件、フィルム感度により、円板を回して使う。大変凝った作りである一方、使い方が難しい・・・
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カメラ正面のアップ。レンズはTRICOR f3.5が搭載されている。距離は目測でレンズ外周のリングを回して設定する。シャッタースピードはレンズ右上方のダイアルを押し込み、回して設定。バルブと1/20、1/30、1/40、1/60、1/100、1/300、1/1000に設定可能。レンズ左上はシャッターチャージとフィルム巻き上げ用のダイアル。フィルムカウンターはメカ式で65枚までとなっている。
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ロータリー式メタルフォーカルプレーン・シャッターを格納する軍艦部の正面。距離別深度表の2/2ページが刻印されている。
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軍艦部。右側にシャッターボタンがある。押すと「ストン」といった感じでシャッターが切れる。何とも表現しようの無い、実に趣のある音だ。
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MERCURY Uで撮影したネガ。ハーフのネガって、趣があるよねぇ・・・

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