筆者倉庫から発掘してきた、AMDの80386 CPU搭載のボード。台湾製で1993年10週の製造。メーカー名は「NESXA」とか書かれている。完全に壊れているみたいで、POSTのビープ音すら出てこない状態だ・・・ガックシ。。。
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■退廃的互換機趣味(其之二十八) (2009/10/04)
 【だって動かないんだもん!】

 前回の退廃的互換機趣味で、80486時代を終了し、これからいよいよ80386に取りかかろうと準備に入った。ところで、筆者は80386のマザーボードを余り持っていない。というのも、日本で最初にDOS/V単品として販売されたIBM DOS Version J5.0/Vが、秋葉原の店頭に並んだのが1991年の暮れであり、当時は既にDOS/V機のスペックは80486DX-33MHzが主流になっていたからだ。それ以前にも、IBM純正マシン(例えばPS/55Z等)にDOS Version J4.0/Vが添付されてきたものもあったが、これはあくまでマシンの添付品であり、単品発売されたものでは無い。

 故に、80386のマザーボードは自作派にとってはあまり馴染みが無く、いきなり80486ベースのマシンを自作する廃人が主流だった。そのため80386のマザーボードは、いかにガラクタ集めが趣味の筆者の所にも、そうは無いのである。

 で、さんざん探した挙げ句、一枚だけ倉庫から出してきたのが、コイツ。「NESXA」という台湾メーカーが製造したAMDの「Am386SX-40」CPUを搭載したマザーボードだった。BIOSはAMIで、SIMMは30 Pinが4スロット。バスはISA一色で6本搭載されている。チップセットはALI社製「M1217-40」ほぼ一個で賄っており、その他にはキーボードBIOSとCMOS程度の部品しか無い。当然、IDEやFDD、シリパラといったI/Fは皆無である。ボードの製造は比較的新しく、1993年10週となっていた。

 さっそくメモリを挿し、適当なVGAカードを突っ込んで動作確認を行おうとしたのだが、ウンともスンともいわない。。。メモリとの相性かと、筆者宅に眠る30Pin SIMMを総動員し、パリティ有り、無しで全部試してみたが、同じ。スピーカーを付けても、POSTコードの音さえしない。完全に逝かれてしまったようである・・・

 ・・・というワケで、この退廃的互換機趣味では、新たな80386マザーボードが倉庫から発掘されるまでの間、一気に時代を遡り、80286時代に突入せざるを得なくなった。まあ、80386のボードっつったって、80486とあんまり変わらないし、単にスピードが486よりものろいくらいで、面白味に欠けるから、敢えて取り上げる必要も無いと言えば無いんだがねぇ。。。

合掌!
(-人-)


ピラミッドムック「PCフォーラム Vol.2 PC/ATコンパチ操縦法」(1992年2月29日発売)の表紙。
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特集記事「HAND ON」で掲載された、PC/ATコンパチ機の組立記事。
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 ここで、筆者がIBM PC/AT互換機作成の泥沼に嵌ったきっかけを記載しておく。1992年2月、既に倒産してしまった「大陸書房」が発行していた、ピラミッドムックシリーズ Vol.2にPC/AT互換機製作記事が特集として掲載されていたのが、そもそもの始まりだ。人生には多くの分岐点があるが、この記事ほど筆者の生涯において重要なきっかけとなったものは無い。当時、PC9801DAで遊んでいた筆者は、この記事を見て、無性にPC/AT互換機を自作したくなったのだ。。。

 それからである。地獄のような自作の日々が開始されたのは。以来17年間、作りに作り続けてきた互換機の台数は数知れず。当然、人間辞めてますね。。。いわゆる廃人として立派に成長し、いま50代に入ってもまだ、こんな記事を書いている。これはもう、一回死なないと治らねぇな・・・

 肝心の記事であるが、結構悪戦苦闘し、オモシロイ。ご興味のある方は、アマゾンのマーケットプレイス等で購入して読んでみてほしい。80386SX(25MHz)のCPUを搭載したマザーボード単体の価格が六万円!!!とか、ただのVGAのビデオカードが三万円!!!とか、1MBのSIMMが8,300円とか、信じられない価格が掲載されている。なおかつ、使用しているHDDは、SCSIとST-506!まあ、SCSIは判るけど、なんでST-506なんかマニアックなHDDを使ったんだろうか?そうか、その頃はまだIDEのHDDは高価で、なかなか購入するには勇気が必要だった。なので、手持ちのST-506型HDDを使ったというワケである。

 こうして読んでみると、この記事、実は大変面白いのだ。そもそもパソコンを自作する、といった概念すら無かった時代に掲載されたこの記事には、筆者は大いに啓発された。それにしても、毎度のことながら思うのは、「あの頃は良かったねぇ。。。」。

再度合掌!
(-人-)


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