PROMISE社製EDIE MAXのパッケージ。これを挿せば、ATAPIに対応していないマザーボードでも、504MB以上のEIDEドライブやCD-ROMを接続することができる。


■退廃的互換機趣味(其之二十四) (2009/08/10)
 【EIDE #1】

 以前、本コラム「■退廃的互換機趣味(其之五) (2008/10/05)【たかがIDE、されどIDEの巻】」にて、古いマザーボードのBIOSには、IDE容量の認識可能上限があり、それを当時504MBの壁と呼んでいたことを記載した。通常であれば、BIOSをアップデートするか、もしくはマザーボードそのものを交換する等して、EIDE(Enhanced IDE)を使用できるようにするのが一般的である。しかし、諸々の事情より、そういった作業が不可能なユーザーのために、このPROMISE社製EIDE MAXのような拡張カードが用いられていた。

 このカードの本来の目的は、セカンダリIDEのI/Fとして、CD-ROMが使えるようにすることにある。もちろん、プライマリIDE用I/Fとして、504MB以上のEIDE HDDを使用しても構わない。カード上にはPROMISEのHDD BIOSが搭載されており、電源投入時にATAPIデバイスを自動認識するようになっている。今回は、テストベンチのマザーボードに本カードを導入して、3GBのEIDEと光学ドライブを導入してみることにする。

 先ずはパッケージ内容の紹介から。I/F基板上で設定する必要のあるジャンパは少ない。カードのROM BIOSアドレスは、デフォルトでD000Hとなっているから、他に当たるものが無いようであれば、このままでOK。なお、アドレスは4通りに変更可能だ。

 問題はIRQの設定である。本製品は、セカンダリI/FにATAPIデバイスを搭載することを前提に出荷されているので、初期設定IRQがセカンダリIDEであるIRQ15になっている。今回これをプライマリで使用するため、ジャンパを変更してIRQ14に設定変更してやる必要がある。もちろん、HDDコントローラとして本製品以外のものをプライマリとし、本製品を増設という形でセカンダリで使用する分には、出荷時の設定で構わない。

 次回は、このカードをテストベンチのマシンに組み込み、3GBのHDDとCD-ROMドライブ、さらにはSCSI HDDも取り付けてみることにしよう。しかし、たかだかEIDEのHDDやCD-ROMを使用するだけなのに、これだけの準備が必要であったとは、改めて当時のPCいじりがタイヘンだったことを実感できて、それはそれでオモシロイ・・・

PROMISE社製EDIE MAXのパッケージ表面。「High capacity disk drive support」とか「IDE CD-ROM/Tape back-up support」の文字が誇らしげに印刷されている。

PROMISE社製EDIE MAXのパッケージ裏面。本製品を用いることによるメリットが、こと細かく記載されている。
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PROMISE社製EDIE MAXの基板。製造は98年05週。台湾製である。チップ抵抗を使っていなかったりと、かなりコストダウンした作りになっている。PROMISEのIDE BIOSは、1996年製のものが搭載されている。
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