Windows Ver 3.0の起動画面。日本語版は1991年1月23日にリリースされた。その後のバージョンとは異なる起動画面である。今回はこのWindows Ver 3.0を高解像度化させるドライバソフト、「DDD」の導入を試みる。


■退廃的互換機趣味(其之二十一) (2009/06/10)
 【DDD】

 今、秋葉原をうろついている廃人に「DDDって知ってる?」と声をかけ、知っていると答えたヒトは、きっと40代後半のDOS/Vマニア君である。最も最近の秋葉原は客層も変化してしまったから、誰も知らないかもしれないな。

 「DDD」は、「Display Dispatch Driver」の略称で、前述したWin/Vを作ったC.F.Computingの製品である。Ver1.01は、1992年1月22日に発売され、その後Ver2.00へと進化している。DOS/V黎明期において、この「DDD」が果たした役割というのは、大変大きなものだった。Windows Ver3.1が登場するまで、高解像度化には必須のドライバソフトだったのである。

 「DDD」は、Windows3.0の英語版ディスプレイドライバをそのまま使用しつつ、日本語Windows3.0に対応させるというシロモノだった。当時、英語版ドライバは日本語版Windows3.0にはそのまま使用できず、従って多くのビデオカードがその真価を発揮できない状況にあった。1024x768、256色以上の実力があるにもかかわらず、日本語Windows3.0の下ではVGA、16色で使わざるを得ないというのは、誠にモッタイナイ。しかし、英語版ドライバの日本語対応版は、作業量が大変であるため、当時ほとんど行われていなかった。

 それ以前に、1991年といえば、日本はPC98全盛期である。DOS/V機をいじくり回している廃人は、まだ数も少なかった。そのような状況の中で、メーカーがわざわざ英語版ディスプレイドライバのローカライズを行うワケが無い。しかし、この「DDD」さえ有れば、ディスプレイカードの実力を存分に引き出すことができるのである。因みにWindows3.1からは、この「DDD」に相当する機能がカーネルの中に組み込まれたおかげで、英語版ディスプレイドライバをそのまま使用することが可能となった。

 ・・・というワケで、当時を懐かしみつつ、実際に日本語Windows3.0に「DDD」を導入してみよう。今回は当時を再現させるべく、ビデオカードには「ET4000AX」を使用した。「ET4000AX」の英語版ディスプレイドライバを紛失してしまった方、ご心配はご無用である。「VGA478.DRV」とかでググれば、落ちているのを拾ってくることが可能だ。もちろん、ET4000AX以外のディスプレイカードでも、S3 86C911/924、ATI Graphics Ultra、Western Digital WD90C31といった、当時メジャーどころの製品は、ほとんど「DDD」で高解像度化できる。

 用意するソフトは、「DDD」とビデオカードに添付されてきたWindows3.0用の英語版ドライバである。「DDD」はFD1枚に収まるコンパクトなソフトだ。今回は亜土電子で購入したVer2.00を使用した。Ver1.01では、設定時に「WIN.INI」を変更する必要があったが、Ver2.00からは「DDD.INI」という独立したINIファイルを作成するようになっている。今回使用する英語版ET4000のディスプレイドライバは、下記のものがある。

VGA448.DRV  640x480 256色
VGA464.DRV  800x600  16色
VGA468.DRV  800x600 256色
VGA474.DRV 1024x768  16色
VGA478.DRV 1024x768 256色

 今回はVGA478.DRVを用いて、高解像度化を実現する。上記英語版ドライバソフトは「\WINDOWS\SYSTEM」の中へ放り込んでおく。ここで、注意点が一つ。上記ドライバは、ファイルが圧縮されている場合がある。通常、圧縮ファイルでは、拡張子が「.DR_」となっており、EXPANDコマンドで解凍しなくてはならないことがすぐに判るのだが、この時代は拡張子が「.DRV」と完全な形であっても、圧縮されている場合があった。よって、必ずEXPANDをかけておこう。そうしないと動作しない。

 これで準備完了である。以下に作業の流れをビジュアルに示そう。

その昔、Qualest Center若松で発売された当時の、DDD Ver1.01。1992年1月22日付け。当時はDOS J5.00/Vとセットで購入するのがデフォだった。

先ずは、Windows3.0を「VGA、中解像度、16色表示」でインストールして、起動することを確認しておく。

Windows3.0の起動が確認できたら、一旦終了し、\WINDOWSディレクトリへ移動。そこから「setup」を起動する。ディスプレイの選択から「その他」を選択する。

インストールするディスプレイドライバのディスクを要求されるので、「DDD」のFDを入れたドライブ(a:)を指定する。ドライブには「DDD」のFDを突っ込んでおく。

「DDD」によって提供される画面環境一覧が表示されるので、好みのものを選択する。今回は「ゴシック 10pt」を選んだ。

次は「DDD.INI」ファイルの編集である。幸いなことに、「DDD」Ver2.00には、「DDD.INI」の雛形が同梱されている。ここから必要な部分をコメントアウトすれば、即出来上がる。先ず「SelectingNearestFont=1」を設定。通常はこの設定で行ける。

そして、実現したい画面環境に適したドライバをコメントアウトする。今回は1024x768、256色を指定するため「VGA478.DRV」のコメントを外した。これで「DDD.INI」の編集は完了。後はこのファイルを\Windowsディレクトリへコピーしておく。

\Windowsの中のINIファイル一覧を確認。「DDD.INI」がちゃんと入っているかどうかを確かめる。

再び\Windowsディレクトリに入り、「setup」を起動する。ディスプレイに「DDD Version 2.0 ゴシック 10pt.」を選択する。

これで設定は完了。Windowsを起動させると、指定した解像度と色数で表示されるという仕組みである。めでたし。めでたし。。。

日本語Windows3.0のプログラムマネージャ画面。3.1と比較すると、大変地味な色使いである。あと、アイコンの少ないことといったら。。。

Windowsについてのダイアログ。バージョンは3.02。

コントロールパネル。なんかショボい・・・

デスクトップの設定画面。設定項目も少ないねぇ。。。

ウインドウズ・セットアップの画面。ディスプレイにはちゃんと「DDD Version 2.0 ゴシック 10pt.」と表示されている。

ウインドウズ・セットアップのディスプレイ項目でのシステム設定変更画面。

動画1.ET4000AX+DDDで、1024x768のWindows3.0を起動させたところ。
(VGAサイズでご覧になる方はこちら

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