「暗号解読」 表紙
サイモン・シン著の有名作「暗号解読 ロゼッタストーンから量子暗号まで」の表紙。フェルマーの最終定理も面白かったが、こちらも負けず劣らず面白い。数学関係書籍では定番の一冊。


暗号解読 (2006/02/01)

 既出「フェルマーの最終定理」の著者、サイモン・シンの世界的なベストセラーである。2001年7月30日に初版を出してから、既に15刷。暗号という、極めてネクラで難しい内容をテーマにしておきながら、500ページ弱を一気に読ませる面白さである。青木 薫の和訳も自然で、とても良い。
ヽ(´ー`)ノ

 本書は、大きく3つの部分に分かれている。最初は16世紀頃に始まる初期暗号の歴史を記述したもので、カエサル暗号、ヴィジュネル暗号といった代表的な暗号方法と、それが歴史でどう使われてきたのかが述べられている。次はドイツの代表的暗号装置「エニグマ」に焦点を当て、その構造と暗号解読方法を詳細に記している。最後は、現在一般的に使用されている公開鍵暗号方式が生まれるまでの経緯と、量子暗号といった最先端の暗号技術について記載している。

 中でも一番面白く読み応えがあるのが、エニグマについて記載した部分だ。ここまで詳細に構造を説明した本というのも、珍しいのではないだろうか?しかも、素人にも良くわかる。エニグマ製造者と、その暗号解読者との追いかけっこが面白い。暗号解読のための装置構造の解析方法を読んでみると、その巧妙さに感心してしまう。。。
(・∀・)

 著者サイモン・シンは、この手の科学、数学ドキュメンタリー作家としては有名。インドからの移民という経緯を持つためか、数学の世界には極めて明るいし、何よりもどの著作も、素人でもわかるように書かれているのが驚異的だ。難しい本を難しく書くより、簡単に解説する方が、よほど難しい。。。

 しかし、暗号ってのは、ハマるとクセになるシロモノだねぇ。人間誰しも、隠し事は覗いて見たいという欲求があるものだということが、本書を読むとヒシヒシと感じてくる。。。新潮社刊。2,600円は内容のとてつもない面白さから考えるとバカ安である!
ヽ(´▽`)ノ


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