「リアル・ミスト」パッケージ 表面
1993年発売のオリジナル版のリメイクとして、2001年に発売となったリアルタイム版ミスト「リアル・ミスト」。残念ながら、あまり売れなかったようである。


■リアル・ミスト (2005/10/23)

 ミスト(MYST)といえば、1993年に発売された3Dアドベンチャーゲームの傑作として、余りにも有名である。当時はまだWindows 3.1全盛の時代。しかもCD-ROMや音源ボードを搭載した、いわゆる「マルチメディアPC」なるものが、漸く世に出てきたばかりの頃である。そのような環境で、精緻を極めた美しいグラフィックスをウリにしたこのゲームは、たちまちのうちに大ヒットを記録することになった。何でも記念すべき第一作は600万本もの売り上げを記録したそうである。
ヽ(`Д´) ノ

 さて、1993年当時に発売されたMYSTは、ディレクターズ・ムービーを使用した、いわゆる紙芝居系ゲームであった。同類に既出の「L-ZONE」や「GADGET」といった傑作があるが、紙芝居系なので、プレーヤーの視点は限られており、自由に前後左右を見るというようなことはできなかった。それでも、ものすごくリアリティのある静止画像と迫力あるサウンドは、当時としては画期的であった。筆者もハマりまくったほうで、鼻血が出るほどプレイしたものだよ・・・
(´ー`)у-〜

 その後、2001年の年末になって、リアルミストなるものが発売される。こちらはMYST第一作を完全にリアルタイム3D化した製品で、文字通りプレーヤーは仮想現実空間で、自由に風景を眺めることが可能となった、いわゆるリメイク・バージョンだ。1993年当時のCPUパワーとグラフィックス性能では、おそらく逆立ちしても実現できなかったものが、現代(2001年当時)の圧倒的に強力なリソースで可能にしたことがウリであった。しかし、、、この作品はハッキリ言って「売れなかった」ようだ。筆者も当時、PCソフト売り場で山積みになっているのを見かけたが、購入しなかった。既にネタバレしたゲームということもあったし、2001年当時には、リアルタイム3Dゲームは、それこそゴマンと存在していたからだ。
( ̄〜 ̄)

 ところで、最近になって懐かしさのあまりまたMYSTをプレーしたくなったのだが、1993年の初版は筆者のPCでは動作しない。どうやら、ビデオカードが徹底的に対応していないようなのだ。元々、初版はWindows3.1をベースに作成され、256色前提に設計されており、現代のハイスペックなビデオカードではうまく動作しない場合が多いようなのだ。これには参った。仕方なしに苦労して、セコハンのリアルミストを入手し、導入する。リアルミストは最近のリメイクだけのことはあり、動作プラットフォームもXPに対応している。
(・∀・)

 まあ、たかだかリアルタイムの3D版だけのものであろうと、最初タカをくくってプレイしてみたのだが、予想以上に良く出来ているソフトだった。現代の一般的なPC上では、ストレスなくサクサクと動くのも快適であるし、何よりもMYSTの世界を自由に「散策する」という楽しみも加わっている。時間が経過するにつれて、日暮れから日没まで変化する風景や、違う世界に入ると雷雨であったり濃い霧に囲まれたりと、そのリアリティは今までとは数段上のものになっている。昔プレイしたゲームに、再度ハマることができるというのもうれしい。但し、風景がグリグリと動くため、長時間プレーしていると、いわゆる「車酔い」に似た症状が出ることがあるので注意。同様の症状は、かなり前にブレイクした殺戮ゲーム「DOOM」でも経験したことがある・・・

 MYSTはその後シリーズ化され、続編以降はリアルタイム3Dの凝った画面を搭載しているそうであるが、筆者は第一作以外は、二作目をちょこっとプレイしたのみで止めてしまっている。理由の一つに、続編以降は所詮二番煎じの感があり、最初に受けた強烈な感動が無かったこと、そして、CD-ROMを複数枚使用するようになってしまい、ゲームの利便性が欠如してしまったことによる。やはりMYSTは第一作目が最も完成度が高く、面白い。
ヽ(´ー`)ノ

 なお、このリアルミストであるが、たった1枚とはいえ、CD-ROMメディアを入れるのがメンドウなので、いつものように「バーチャルCD革命」を用いてメディア全体をコンテナファイル化し、NSAに放り込んで仮想CDとしてプレイしている。何ら問題なく動作し、極めて快適である。攻略本が無いと、かなり難しいゲームであるが、美しい風景を見て和むことができるという点で、筆者的には評価が高い作品だ。
(´ー`)у-〜

「リアル・ミスト」パッケージ 裏面
「最高に美しい3Dゲーム・・・」という謳い文句も、嘘じゃない。本当に美しい「癒し系」ゲームである。

リアルミストのゲーム画面 #1
ゲームのベースメントとなる「MYST Island」の夕暮れ風景。プレイ時間の経過に応じて変化する風景が、極めて美しい。鳥や蝶までも飛んでいるという凝りようである。

リアルミストのゲーム画面 #2
こちらは世界が変わり「SELENITIC AGE」と呼ばれるところ。音を使ったパズルを解く世界である。この世界の謎解きは、比較的簡単。

リアルミストのゲーム画面 #3
こちらは「MECHANICAL AGE」と呼ばれる世界。隠し部屋への入り口が若干見つかりにくいが、それよりエレベータを使ったカラクリの方が難しい!

リアルミストのゲーム画面 #4
「STONESHIP AGE」の画面。この世界は雷鳴轟く嵐の世界だった(もっとも、違う場合もあるが)。灯台の上部階に入る鍵を見つけるのが、多少やっかい。

リアルミストのゲーム画面 #5
「CHANNELWOOD AGE」の画面。迷路状に張り巡らされたパイプの接続を解くパズルである。


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