Amiga Emulator Launcher画面
Windows XP Pro上で動作するAmiga Emulatorメイン画面。ここから各種設定、起動OSの選択等を行う。エミュレータ本体の詳細設定は、「WinUAE Configuration」より実施。ここでは、内蔵RAM容量などの細かいセッティングが可能である。


■Amiga Forever!!!(その1) (2005/10/02)

 「昔々、ある所にAmigaというマシンがありました・・・」というくらい、物故なPCの代表格であり、なおかつカルト・パソコンの大御所として君臨してしまったAmigaを、ほぼ完璧にエミュレートするソフト、「Amiga Forever 2005」を導入する!このソフトは、Cloantoという会社から発売されているもので、オンライン上で簡単に購入することが可能だ。Amiga ForeverのHPはこちら。これで、いつも使用しているPC上で、好きな時にメガデモを見る環境が構築できる!マンセー!!!
ヽ(´ー`)ノ

 筆者は、今を遡ること9年前、1996年に一度、Amigaエミュレータを導入したことがある。しかし、如何せん当時のPCのCPUパワーでは、満足な動作は実現できず、またエミュレータ自体の完成度も低かったため、まともに使えるシロモノでは無かった。その後、PCの処理能力は長足の進歩を遂げ、またエミュレータの完成度も「本物」以上のものとなる。今回導入した「Amiga Forever 2005」は、そういう意味で、現時点で最高品質の「Amiga」を再現する、地球上でただ一つのソフトウエアであると言えるだろう。
(´ー`)у-〜

 実は、筆者もAmiga 500を飼っていた。1999年の頃には、「メガデモシアター」なるものを構築し、A500に専用ディスプレイを接続した環境で、17Bitのメガデモを延々と再生していたものだった。これはひとえに、奇人である柴隠上人 稀瑠冥閭守 (Kerberos)氏の影響に寄る。氏はメガデモをのべつ幕無しに鑑賞した結果、ついには正真正銘の「メガデモ廃人」となってしまった。閑話休題。実物のA500を復活させても良いのだが、如何せん置いておく場所が無い!特にA500のようなPC8001形状のマシンは、なおさらである。そこで、ご本尊は押入の中深く慎重に保存し、エミュレータで当時を偲ぼうということにしたワケだ。

 導入は極めて簡単である。Amiga ForeverのHPで30MB程度のファイルを購入してダウンロードし、インストールするだけだ。エミュレータ本体には「Online Edition」、「Plus Edition」、「Premium Edition」の3種類が存在するが、とりあえずOnlineでコト足りる。ソフトウエア・エミュレータには、Amiga 500/1000/2000用として最もポピュラーなUAEを使用しているが、このソフトは様々なプラットフォームで動作するのが特徴だ。Amiga Foreverでは、Windowsの他に、MacOS、Linuxの3種類が用意されている。Windows版UAEは、WinWAEと呼ばれている。

AmigaDOSの起動画面
Amiga 500エミュレーション設定で起動させているところ。OSはVer 1.3。BIOS、OS共にエミュレータ本体に組み込まれている。WorkbenchのバージョンはRlelase 1.3.3 Version 34.34となっている。なお、この画面は本物の500を起動させるのと同等の時間を必要とし、なおかつ起動中のFDシーク音まで再現されているという凝りようだ。

Aniga 500をOS Ver 1.3で起動させたところ
Workbench上で標準搭載されているアプリケーションを起動させている。さすが500だけのことはあり、解像度しょぼしょぼ。しかし、ほとんどのメガデモは、このモードでないと動かない。(拡大画像)

 インストール後は、Launcherアイコンをクリックすることで、エミュレータが起動する。エミュレータにありがちな、実機からBIOSをぶっこ抜いてファイル化する、といった面倒な作業は一切無い。エミュレータ本体には、BIOSを始め、Amiga OS 3.Xと1.3の2種類が予め搭載されているので、導入後すぐに使用することができる。

 Amiga 500と最も互換性が高いAmiga OS 1.3で起動してみる。驚くことに、実際のAmiga 500をFDから駆動するのと、全く同じスピードで立ち上がる。その間、ナント!FDのシーク音まで再現されているのだ!世にエミュレータ多しと言えども、FDのシーク音まで出しているのは、おそらくこのAmiga Foreverくらいのものではないか!この偏執狂的な所に、本ソフトがただ者では無いところを垣間見ることができる。起動時間も本物と全く同じ。即ち、どんなに高速なCPUを搭載したWindowsマシンでも、あのAmiga 500をスタートさせるのと同じ待ち時間を必要とするワケだ。まさに、多くのマニア集団がいじり倒したマシンにふさわしいではないか???
ヽ(´ー`)ノ

 OSが起動すると、あのAmiga 500のショボいWorkbench 1.3の画面が現れ、懐かしさの余りカンドーすることになる。デフォルトでは、RAM DISK、DEMO DISKおよびOS 1.3 DISKの3つが見えている。試しにDEMO DISKに入っているJugglerを起動させてみると、これまたAmigaでは懐かしい画面が現れてくる。
(・∀・)

標準で付いてくるDEMO、Juggler
Amigaでは有名なデモソフト、Jugglerを起動させたところ。懐かしい!Amiga入門本には、必ずこの画が掲載されていたものだよなぁ。。。3Dでマッピングで音が出るというのは、当時としては大変なことだった。(拡大画像)

OS Ver 3.XでAmiga 2000を起動させたところ
Amiga最新版OS、Ver 3.Xで2000を起動させた画面。ここまで来ると、現代のPCとほとんど変わらない機能を有するようになる。(拡大画像)

 さて今度はOS 3.Xを起動させてみる。こちらはHDDから駆動される最新版OSだけのことはあり、立ち上がりは速い。画面も高解像度で、色数も深くなっている。但し、メガデモを楽しむには、やはりOS 1.3の方が、互換性が高くて安定している。

 このAmigaエミュレータであるが、完成度が高いソフトだけのことはあり、かなり色々な設定が可能になっている。WinUAEのプロパティは、起動画面から入ることができるが、エミュレーション中に「F12」キーを押すことで、いつでも呼び出すことが可能である。エミュレート出来るマシンには、500を始めとして600、1000、1200、2000からCD TVまでと多彩だ。CD-ROMのマウントも可能である。マシンのリセットも、この画面から実行できる。

 さらに恐ろしいのは、エミュレーション中に再生している動画のキャプチャも可能になっている点だ。但し、恐ろしくマシンパワーを喰うので、並のPCでは使い物にならないであろう。静止画の保存も可能で、保存したい画面が出たところで「F2」を押し、Outputセクションで画面をキャプチャするだけで良い。

 さて、今回はインストールと設定、使い方が大体判ったので、次回にはメガデモを再生してみることにしよう。エミュレータ本体の出来が極めて良いため、主立ったメガデモはほとんど問題無く起動できている。昔のエミュレータでは考えられないくらい、忠実だ。今までは、現物のAmiga 500に依存していたため、マシン本体が全て壊れてしまった場合、メガデモが永遠に再生できなくなってしまうのではないかという不安が、常につきまとってきたのだが、これがあれば大丈夫!全てデータ化し、現在のPC上で簡単に再生することができるからね。
ヽ(´ー`)ノ

 待て次号!

WinUAE設定画面
詳細設定画面は、メニューのランチャーから入ることができるが、エミュレーション中に「F12」キーを押すことで、いつでも呼び出すことが可能である。WinUAEプロパティでは、エミュレーションマシンの種類、RAM容量といった基本的な設定から、現在の画面キャプチャ、動画キャプチャまで、幅広くサポートしている。

ホンモノのAmiga 500のマザーボード
ついでに、筆者が飼っていたホンモノのAmiga 500のマザーボード写真を掲載しておく。本エミュレータが再現しているのは、このボードの機能となる。ボードは1988年に設計されたREV 6A。製造は、搭載されているデバイスの捺印より、1991年末頃と思われる。

ホンモノのAmiga 500のCPU
言わずと知れたモトローラ68000 CPUが搭載されている。DIPパッケージのCPUとしては、最大級と言われていたシロモノだ。クロックは8MHz。まさに隔世の感有りだな。。。
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