カルト作品「天使(L'ANGE)」 LDジャケット表面
1984年、パトリック・ボカノウスキー監督のカルト実験映画「天使(L'ANGE)」のLDジャケット。これを見たいがために、LDプレーヤーを購入した、といっても過言では無いであろう。しかし、アヴァンギャルドしていまつ・・・
ヽ(´ー`)ノ


■ボカノウスキーの「天使(L'ANGE)」 (2005/09/21)

 さて、9/20付けコラム「何をいまさらレーザーディスク」にて購入したLDプレーヤーで、真っ先に再生したLDが、このパトリック・ボカノウスキー監督「天使(L'ANGE)」である。この作品、VHS、LDではリリースされたものの、なぜかまだDVDにはなっていない。世界中のAmazonをサーチしても、DVDは1点も出品されていないのだ。まあ、内容が半端じゃなくカルトでアヴァンギャルドしてるから、一般ウケする作品では無いのだが、それにしてもあんまりである!
ヽ(`Д´) ノ

 「天使」は、1982年に制作され、1984年4月にパリで一般公開された。その余りにもシュールな内容に、マスコミはこぞって「アンダルシアの犬の再来」とまで評した傑作である。セリフは一切無く、超現実的な映像が延々と70分間続く。ボカノウスキーの監督・編集は半端じゃなく、1コマ単位で調整を行なったそうだ。セット制作と撮影に2年、特殊効果と編集に3年を費やしたとのことである。

 人形に向かってサーベルを突き刺している兵士、全く動かない主人が座っているテーブルにミルクを運ぶ召使い、ケラケラと笑いながら湯船に漬かるハゲ頭の男、図書館でせわしなく働く9名の同じ顔をした男たち、ガラスケース内の裸女に突進する男たちと、こうして文章にしてもワケワカラン場面が続々と登場する。見る者のイマジネーションが最大限発揮されないと、全く理解できない、そういった内容の映画なのだ。

 LDはCAV仕様で、実に2枚組み3面構成になっている。この仕様を見ても、当時カルトな映画ファンがいかに熱狂したかを伺い知ることができるというものだ。因みにLDが発売されたのは1993年9月のこと。筆者はそれ以前に、1993年4月にVHSビデオテープでも、同作品を購入している。昔からビョーキだったんだなぁ。。。ビデオの発売元は、あの「ダゲレオ出版」。購入した場所は、サブカルマニアであれば知らないとモグリとまで言われている伝説の書店、西荻窪にある「信愛書店」である!濃い。濃すぎるな。。。

カルト作品「天使(L'ANGE)」 LDジャケット裏面
LDには、同じくボカノウスキー監督の短編映画「海辺にて」も収録されている。発売当時のLDの価格は税込み5,871円。発売元は、パイオニアLDC株式会社。

LDジャケットの帯のアップ
LDとしては奢った仕様であるCAVを採用。そのため70分の映画に2枚組み3面を使用している。実に豪勢なパッケージであるが、反面それは、当時の映像保存密度が低かったということの現れでもある。


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