「俳句PAD」のインストールは、PCの通常のアプリケーションのインストールとは全く異なります。「インストールシールド」などという気の利いたものは一切無く、総てをマニュアルで、しかも部分的にはコマンドを叩いて実行する必要があります。以下にその手順の概略を解説します。なお、ここでは64KBのデータパックにインストールする方法を示します。
  1. 必要機材等
    1. PSION OrganiserII model XP本体
    2. 64KBデータパック
    3. ホストPCとのリンクケーブル
    4. 64KBデータパック用プログラム(HAIKUPAD.OPK)
    5. 「動作環境」で説明した開発ツールキット
    6. EP ROMイレーザ
    7. ACアダプタ

  2. 作業手順
    1. EP ROMイレーザで64KBのデータパックをフォーマットする
      1. 概ね30分程度の照射を行えば初期化できる

    2. ホストPCに開発ツールキットをインストールする
      1. 適当なフォルダ(例:C:\ORGDEV\)を作成し、開発ツールキット「DEVPACK.ZIP」を展開する

    3. 上記フォルダに俳句パッドのプログラムイメージ「HAIKUPAD.OPK」をコピーする
    4. ホストPCのシリアルポートとOrganiserII XPをリンクケーブルで接続する
      1. この際、リンクケーブルのPSION側の端子にACアダプタを接続し、外部給電を行う
      2. OrganiserIIの電源OFFの状態で接続すること

    5. OrganiserIIの「ON/CLEAR」キーを何度か押してメインメニュー下段(「↓」を押してスクロール)に「COMMS」が表示されていることを確認する
    6. 上記「COMMS」をEXEキーで起動し、サブメニューの「SETUP」を選択
    7. 表示されたパラメータの中から「↓」「↑」キーで「BAUD」を選び「→」「←」キーで9600に設定
    8. 同様に「PROTOCOL」をPSIONに設定
    9. 設定終了後、「MODE」キーを押し、「EXIT」で終了。「ON/CLEAR」キーを押してトップメニューに戻る
    10. ホストPC側でコマンドプロンプトを起動し、開発キットを展開したフォルダに移り英語モードに切り替える

         例:CD C:\ORGDEV
           US

    11. 上記フォルダから以下のコマンドを入力する

        MAKE HAIKUPAD 9600 [port]
        (「port」はPCのシリアルポート番号:1 or 2)

    12. PC画面上の指示に従い、OrganiserIIの「COMMS」の「BOOT」オプションをEXEキーで選択し、「Name:」プロンプトが表示されたら何も入力せずEXEキー押下
    13. 上記の入力後、PC画面上に以下のメッセージが表示される

        Loading code...
        Place unsized pack in C:, then press a key on the PC

    14. 上記(1)でフォーマットした64KBのデータパックを、OrganiserII裏の下段のスロット(Cスロット)に挿入し、PCのエンターキーを押下
    15. PC画面上に以下のメッセージが表示される

        Sizing pack C: please wait
        Sending pack data block xxx

      OrganiserIIには以下のメッセージが表示される

        Making a pack in C:

      ここでエラーとなる場合、フォーマット時間が不十分である可能性が高いので、再度フォーマットを実施すること

    16. イメージデータの焼き込みが正常に終了するとPC画面上に以下のメッセージが表示される
      なお、転送するブロック数は約300で、30分程度を要する

        Pack successfully made. Do you want to make
        another pack (Y/N)?

    17. 作成するデータパックが一つで良い場合は「N」を押下し、データ焼き込みを終了する
    18. OrganiserIIの「ON/CLEAR」キーでトップメニューに戻り、「O」キーを押して電源をOFFにする
    19. リンクケーブルを取り外す
    20. 64KBのデータパックをOrganiserII裏面の上段のスロット(Bスロット)に移し、Cスロットには、RAMパックを挿入する
    21. OrganiserIIの電源を投入し、「COPY」コマンドを起動し、以下の入力を行う

        FROM B:HAIKU
        TO C:HAIKUPAD
        上記の「FROM」と「TO」はプロンプト

      また、アルファベットと「:」等の記号の入力切替は、「SHIFT」+「NUM[↓]」で行う

    22. OrganiserIIの「MODE」キーを押し、以下の入力を行う。

        INSERT ITEM(←プロンプト)
        HAIKUPAD(←入力)

  3. 注意

    1. プログラムイメージの焼き込みに用いる開発ツールキットは、16bitDOSプログラムであるため64bit版Windowsでは動作しません。上記の操作は、VMWare上のWindows XPで実行しています。
    2. HAIKUPADで生成したデータは、「HAIKUPAD.ODB」という空のデータベースファイルが存在するパックに保存されます。上記21.でのCOPY操作は、データ保存用RAMパックを指定するために必須です。
    3. 32KBのデータパック二本にインストールする場合には、イメージファイル「HK32-1.OPK」と「HK32-2.OPK」を、上記と同様の手順で二回に分けで焼き込みます。この場合、データの保存は、OrganiserIIの内蔵RAMとなります。なお上記21.のCOPY操作は不要です。(内蔵RAMに自動的に生成される)