同潤会上野下アパートメント(2002年12月) |
同潤会上野下アパートメント外観 |
同潤会上野下アパートメントは、1929年(昭和4年)に竣工された。数ある同潤会アパートメントの中で、解体されずに残っていた最後のアパートであったが、2013年(平成25年)6月17日に、ついに解体作業が開始された。竣工から実に84年を経過したこの歴史的建築物も、姿を消す。
上野下アパートメントは、2棟で計76戸を有する鉄筋コンクリート4階建て建築物であった。水洗式トイレや共同洗濯場が設けられ、独身者専用の部屋も用意されていた。ダストシュートも設けられ、庭には手動ポンプ式の井土もあった。場所は地下鉄銀座線田原町駅から徒歩2分程度と立地も良い。 |
上野下アパートメントの入口。左右に2棟のアパートが有る。右側の棟の側面は、清洲橋通りに面していた。左側の棟は、5つの階段室を有する細長い建物だった。 |
居住棟外観。 |
居住棟内部。手摺の形が面白い。壁面はピンクと白のツートンカラーで、とてもポップである。 |
おそらく独身者用のフロアに設けられている共同のトイレ。ドアは無い。便器の形がちぐはぐなのが面白い。 |
最上階にある共同の洗濯場。巨大な水槽に蛇口が付いている構造がシンプル。 |
中廊下。フロアに依ってドアの形状が異なる。このフロアは4階だが、引き戸タイプのものが多かった。集会場のような機能を有する部家も有った。 |
別の階の手摺と共同トイレ。 |
一般世帯向けのフロア。この階の構造は、同潤会独得の構造とは異なり、普通のアパートと変わらない。 |
庭に有った手動式のポンプ。 |
庭から居住棟を望む。 |
アパートの出入口。同潤会特有の型式である。入口上部に、入居者の名前を掲載したプレートが掛かる。 |
階段室。 |
清洲橋通りから見たアパート外観。1階には、通りに面して4つの店舗が入っていた。 |
居住棟の屋上。 |
2棟あるアパートの間を、屋上から見たところ。 |
階段室の内部。 |
同潤会のアパートに多く見られる構造。2戸の住居への扉が、若干斜めに付いている。他の同潤会アパートでは、扉のガラスが色々な形をしていたが、上野下アパートメントでは、ほぼこの形のみであった。 |
手摺のアップ。使いこまれたため、木の部分に手垢が付いていた。 |
おそらくダストシュートと思われるもの。取材の時には、既に使用されていなかった。 |
唯一あったユニークな扉。丸い灯り取りが特徴的。 |
アパート出入り口。昔しの設計なので、天井は低い。 |
ダストシュート部分。 |
アパートの敷地出入口にある標札。 |
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