リストマーク 山形県尾花沢市の廃工場跡(福舟鉱山 1999年08月)

写真1:廃工場跡全景 #1


写真2:廃工場跡全景 #2

 ここに掲載した廃工場跡は、宮城県栗駒郡花山村にある温湯温泉佐藤旅館を訪問する途中に偶然発見した。当時、筆者は山形市から国道13号線を北上、新庄市で国道47号線(北羽前街道)に入り国道457号→398号へと抜けるルートを取っていた。ところが、国道47号に入った途端、事故渋滞に巻き込まれてしまう。このままだと旅館に到着する時刻が遅くなってしまうので、抜け道を取ることにした。国道47号から県道56号に入り、さらに県道318を南下、国道347号(母袋街道)を通るルートを取ることにする。この廃工場跡は、県道318号沿いに偶然発見した。

Google Maps上での位置は、下記の通り。
県道318号沿いの廃工場跡



写真3:廃工場跡の基礎部分 #1


写真4:廃工場跡の基礎部分 #2


写真5:廃工場跡の基礎部分 #3

 国道13号線と平行して山の中を走る県道318号線は、なかなか起伏に富んだ面白い道だ。JR陸羽東線長沢駅付近から県道に入ると、すぐに福舟峠という小さな峠にさしかかる。この峠を越えたると、突然森林の中にきれいな湖が出現する。道幅は車一台通るのがやっとの幅員しかない。この湖が、なんとも幻想的な雰囲気なのだ。人の気配は全く無く、静謐な感じが漂う。

 暫く走ると、突然展望が開けてこの廃工場跡が出現する。かなり唐突な現れ方だ。工場跡は基礎しか残っておらず、建物部分は全て撤去されている。斜面を利用したコンクリートと石垣の基礎が残っており、そこそこの規模を持った工場であったようだ。所々に焼け焦げた跡が残っていたのだが、もしかしたら火災で消失したのかもしれない。工場の名称は不明。雰囲気的には、何かの精錬を行っていたものと思われる。


写真6:敷地内に残された設備の一部


写真7:浄水池跡 #1


写真8:浄水池跡 #2

 敷地内には残存物はほとんど無かったが、操業時に使用していたと見られる機械の一部が錆付いた状態で残されていた。基礎の造りは、伊豆大仁の鉱山跡に良く似ている。工場跡のすぐ隣には、浄水用の池が残っていた。ここはまだ機能しているようで、比較的整備されている。丸い池の真ん中に監視用と思われる塔が建っており、その外観はまるでゲーム「MYST」に出てくる構造物のようだ。迂回路を通過中に偶然発見したということもあり、とても不思議な感じを覚えた廃墟であった。

【2014年の追記】 その後の調査で、この廃墟は「福舟鉱山」の跡であることが判明した。大仁鉱山と類似しているのも頷ける。上記の浄水池は、鉱毒処理用とのこと。→廃墟検索地図 福舟鉱山


写真0:福舟峠付近にある森林の中の湖




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