■ Delight トランジスタラジオ ■


Delight トランジスタラジオ 外箱

Delight トランジスタラジオ 外観

Delight トランジスタラジオ 正面

Delight トランジスタラジオ 背面

                                    
 レトロな外観を持つ現代のトランジスタラジオである。Delightという
メーカー(ブランド)名は聞いたことが無い。このラジオ、実は筆者は結構気に
入っているのだが、なぜかParcoなどに入っているコジャレた店に置いてあ
る場合が多い。価格は3,000円前後。製造国であるが、外箱を見ても判らな
い。本体を出してみても判らない。内部を見ても判らない。というわけで、徹底
的無国籍風のラジオなのである。外箱には「Classic Radio Se
ries」と書かれているので、どうやら他にも似たような製品があるみたい。
しかし、これ見たこと無いな。                      

 このラジオ、何がスゴイって、見た目の無国籍風デザインもさることながら、
電源に単一電池を3本も使うというところである。今どき単一電池を使う機器な
んて、工事現場用もしくは災害用の懐中電灯くらいなもんだ。さらに、このラジ
オは同調指針が昔ながらの糸駆動による横メーターなのだ。指針には、ナント!
「針金」がそのまま使われている。素材の良さを出したというワケでは無く、単
にコスト削減のために「そのまま」使われており、さらに極めつけは、本体を持
ち運ぶと、この針金が筐体にぶつかって、カチャンカチャンと音までするのだ。
もう、ここまで安っぽい作りだと、かえって拍手したくなってしまう。    

本体内部構造

ラジオメイン基板

ヘッド部分のアップ

                                    
 機能的にはけっこう豪勢で、AM、FM、TVの3バンドが受信可能だ。本体
内部は、ほとんどシングルチップ化されたリニアICが使われており、部品点数
は極限までに少ない。その分、内部はスカスカである。メインとなるチップは、
KIA6840Pと捺印された16PinのプラスチックDIPの石。まさか、
韓国のキア社製ではないだろうなあ???                 

 デザインもけっこうキレていて、本体裏面の中央にイヤホン端子が出ている。
こんなところにレイアウトするラジオは、初めて見た。また、本体裏面には銘版
を貼るスペースが設けられているのだが、ここには真っ黒のシールが貼られてい
るだけ。OEMに徹する姿勢は評価できるのだがねぇ。           

 本体前面パネルの左上に置かれた「太陽」マークも、なんだか意味深のようで
そうでないような曖昧な感じだ。筆者など、このようなデザインを見ると、思わ
ず真空管ラジオ時代のマジックアイを思い出してしまう。というわけで、ツッコ
ミ満載のこのラジオは、徹底的に合理化された現行製品には無い暖かさを感じる
ことが出来、非常に気に入っているのである。あって良い無駄というものも必要
なのだ。                                


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