BEATとノラネコ

■芝浦の古い建築物と500のヒューズボックスのこと (1999/09/19)

●1999年09月19日(日曜日)
 朝起きてBEATの駐車場を見下ろしたら近所に住む飼猫が寝てた。というわけで、BEATと猫という題名の写真を撮影する。上から狙ったショットなので、猫も必死でカメラの方を見上げている。きっと何か落ちてくるかもしれないと、心配だったのだろう。


ノラネコ君

 今日は曇りがちであったが天気もまずまずなので、BEATを洗車した後、都内をドライブする。最高気温はまだ30℃程度あるが、湿度が低いためか、それほど不快感は無い。郊外に行っても良かったのだが、行楽の車が多いと思われたので、都心をドライブしてみる。今日の季候は、オープンで走るにはちょっと暑いかなという程度であった。これからはオープンカーにとっては良い季節だ。

 さて目的地であるが、以前から行ってみようと思っていた東京芝浦にある古い建造物の写真を撮影に行く。この古い建物は、JR田町駅の近く、東京ポートボールというボーリング場の裏手にある。かなり有名な建物のようで、以前などTV局が取材に来ていたこともあった。聞くところによると、この建物はその昔、芸者が控えているところであったとのことで、窓の手すりなどに遊郭楼の面影が残っている。現在入り口はカーテンがかかっており、人の気配は感じられないが、まだ使われているようだ。

 午前中で逆光だったということもあり、写真の写りは今一つだ。しかし、堂々とした玄関はおわかり頂けると思う。玄関軒下には、あまり良くは読めないが「○○協会」といった表記が見える。以前には協会の事務所として使用されていたようだ。軒下の照明もアンティークだ。芝浦には、この建物の近辺に、焼け残った古い建築が残っている。取り壊される前に撮影しておきたいところだ。

【2014年の追記】
その後の調査で、この建築物は港区文化財保護対象となっている「旧協働会館」であることが判った。港区のHP上で、本建築物についての記載がある。建造は昭和11年で、芝浦の「見番」として作られたという。見番とは、芸者の取次ぎや遊興費の清算をする施設のことをさすそうだ。旧協働会館は、平成12年に閉鎖されたまま、放置されているようである。2014年04月現在、Googleマップのストリートビューでは、改修のためかネットを被せられた状態にあることが確認された。


芝浦の旧協働会館

芝浦の旧協働会館

芝浦の旧協働会館
正面玄関上の銅板葺の唐破風

芝浦の旧協働会館

旧協働会館の位置
(2014年04月現在)

Googleストリートビューで見た旧協働会館の現状
(2014年04月現在)

 古い建築の撮影ついでに、芝でもうひとつ古い建物を取材してきた。場所は慶応大学前の国道1号を白金台方面へ向かったところ。「Milk Shop SHIBA」と書かれた牛乳屋さんである。桜田通り沿いにある慈願寺の隣りあたりにあたる。

 このミルクショップの建物も有名で、新潮文庫の「東京珍景録(林望著)」にも掲載されている。なんでも、関東大震災前後に鉄工所として建築されたものを、戦後牛乳屋に改築したものだそうだ。同書ではP43でこの建物を、「あっさりとした切妻の屋根に、ペンキ塗りの白い南京下見張り外壁。長方形ダブルハング式のコロニアル風洋窓」と紹介されている。

 このミルクショップ、3階建てのようで壁面が一面波板のトタンでできている。このトタンがところどころ錆びており、かなり強烈な印象だ。剥げ落ちたホーローの看板もいい味を出している。東京珍景録にも記されている通り、正面に3つあるコロニアル風の窓が、良い雰囲気を漂わせている。

【2014年の追記】
この建築物は、現在取り壊されてしまったようで、確認することができない。


Milk Shop SHIBA

Milk Shop SHIBA

Milk Shop SHIBA

Milk Shop SHIBA

 国道1号沿いでミルクショップの撮影をしていたら、真っ赤な500が走ってきた。以前は路上では滅多に見かけない車であったが、最近は気のせいかずいぶん増えてきたように思われる。今日見かけた500は、おそらく650ccにボアアップしたチューニングバージョンで、エンジンフードが上開きではなく下開きになっていた。クーラーの無い500でも、今日くらいの気温ならなんとか運転できるだろう。たまたまデジカメをスタンバイ状態にしておいたので、一瞬ではあったが撮影することができた。行きずりの500を撮影するなんて、結構珍しい。


撮影中、偶然通りかかった真っ赤な500

真っ赤な500のアップ。エンジンフード下開きでアルミオイルパンを搭載している。

 路上で500を見かけた影響というわけでもないが、500に乗りたくなってきた。BEATを駐車場に戻し、さっそく500を運転する。ロービーム時に右ヘッドランプが点灯しないことを除けば、機関系もすこぶる好調である。そういえば最近、吉祥寺の500ショップを訪問していないことを思い出して、久しぶりに行ってみることにした。

 店長さんはちょうどお客さんの500のダイナモ調整で格闘中であったが、一服してくれた。電送系の不調について聞いてみたところ、どうもヒューズが怪しいとのころ。ヒューズについては、切れていないことは何回も確認している。しかし、実際点灯してみると、ヒューズボックスがかなり蓄熱しているようなのだ。どうやら、6本あるヒューズのうちいくつかが接触不良を起こしており、そのためライトが点灯したりしなかったりという現象が起こっているようである。何本かヒューズを入れ直してみると、ウソのように直ってしまった。今まではてっきりハーネス系の異常だと思い、コネクタとかを洗浄していたのだが、どうやら原因は違うところにあったようだ。店長さんから新品のヒューズボックスを頂く。後ほどこれに付け替えてみる予定。


500の新品ヒューズボックス

 夕方になってさらに気温が下がり、非常にさわやかになったので、近所を500で走り回る。夕焼けがきれいだったので、デジカメで撮影した。デジカメの限界で、それほどきれいには写ってはいないが、まあ雰囲気だけでもわかるだろう。


1999年09月19日の夕暮れ



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