■コラム・モペットについて (1999/05/23)

●1999年05月23日(日曜日)
 本題とは関係ないが、モペットについて。
 最近、妙にモペットが気になる。筆者は、近所の移動手段としてや、西友で9,800円也で購入したママチャリを使用しているが、やはりスクーターが欲しくなってきた。スクーターといえば本場ベスパがすぐに思い浮かぶが、いかんせんベスパは高い。500を買ったばかりだから、予算的に余裕は全く無い。かといって、国産現役スクーターを購入するのも、平凡過ぎてなんとなく気が引ける。もう少しこだわりのあるモノは無いかと探していて、モペットが浮上してきた。最初に検討したモペットは、ベスパで有名なPIAGGIO社のCIAO-Pだった。


PIAGGIO CIAO-P

 CIAO-Pは、1967年に登場し、現在まで生産が続けられているロングセラーのモペットである。自転車とスクーターの機能はレバーで切り替えるようになっており、バッテリーを持たずペダルの回転によってエンジンを始動させるという方式だ。変速機はオートマチックとなっている。車重も40kg軽量で、格好も自転車に似ておりゴツくない。

 以下に仕様を示す。


エンジン形式 空冷2ストローク単気筒
総排気量 49.3cc
ボア×ストローク 38.2mm × 43.0mm
圧縮比
点火方式 フライホイールマグネット
電圧/電力 6V/12V/40W
最高出力
最大トルク
始動方式 ペダル
全長×全幅×全高 1600mm × 660mm × 1025mm
ホイールベース 1000mm
重量 40kg
燃料タンク容量 2.8リットル
燃料 混合燃料
価格 175,000円
最高速度 50km


 このCIAO-Pが妙に気になったため、現物を見に渋谷にある専門店を訪問した。そこでいろいろとお話しを聞いたのであるが、どうもCIAO-Pには色々と問題がありそうだ。そのショップの店員さん曰く、CIAO-Pはエンジンがかかりにくくなることが多いのだそうだ。またサスペンションも簡易型なので、乗りごごちもあまり良くは無いとのこと。どうやら積極的には勧めていない製品のようである。で、モペットを購入するのだったら、TOMOSが良いとのことであった。TOMOSはオランダトモス社製のモペットで、CISO-Pと同様、外観はレトロである。


TOMOS

 TOMOSにはClassic TとClassic Uの2タイプがあり、価格もCIAO-Pとほぼ同じとなっている。見かけはCIAO-Pよりもゴツいが、重量は8kgアップの48kgと、それほど重くは無い。CIAO-Pと大きく異なる点は、モペットとしては珍しい本格的なバイクのサスペンションを採用していることで、店員さんが言うには、乗り心地はCIAO-Pの比では無いそうだ。

 以下に仕様を示す。


エンジン形式 空冷2ストローク単気筒
総排気量 49cc
ボア×ストローク 38.0mm × 43.0mm
圧縮比
点火方式 フライホイールマグネット
電圧/電力 12V/50W
最高出力
最大トルク
始動方式 ペダル
全長×全幅×全高 1640mm × 680mm × 1060mm
ホイールベース 1080mm
重量 48kg
燃料タンク容量 4.0リットル
燃料 混合燃料(2%混合)
価格 163,000円、173,000円
最高速度 60km/h
ブレーキ ドラム
タイヤサイズ 2.25 × 16
変速方式 2速オートマチック


 TOMOSも時としてエンジンがかかりにくくなる場合があるが、CIAO-Pに比べれば格段にメンテナンス性は良いそうだ。また、最高速も60km/hまで出るので、国産スクーターと比較しても遜色が無い。リアサスペンションもしっかりとしたものが付いている。Classic Uモデルは、ホワイトリボンタイヤやロケットヘッドランプが付き、さらにレトロな雰囲気となる。CIAO-Pよりちょっとゴツいのが気になるが、反面しっかり出来ているといった感じを与える。

 なんでも、このTOMOSは現在九州、関西地区を中心としてブレイクしているそうで、もうまもなく関東圏にも広まってくるだろうとのことだ。また、女性のユーザーが非常に多いのも特徴となっている。色はレッド、ネイビー、ブラック、シルバーの4色が基本となっており、その他に8色の限定色が選べる。ただし、限定色だと納車に時間がかかるそうだ。

 燃料は混合なので、別売りのビーカーをオイルを用意しておき、注入したガソリンの2%に相当する量のオイルを測って入れなくてはならない。これがちょっと面倒といえば面倒であるが、燃料タンクは4リットルもあり燃費は非常に良いから(リッター70kmくらいは走る?)あまり頻繁に給油することな無さそうだ。エンジンがかからなくなるのは、ほとんどがプラグがかぶってしまった場合で、プラグ交換ができれば比較的容易に復帰させることが可能とのことである。

 ペダルを前にこげばそのまま自転車になるので、一方通行路の逆進とかの場合には便利そうだ。人気車種なのですぐに在庫切れになるとのこと。在庫が切れると本国まで発注しなくてはならず、3ケ月くらいかかるそうである。う〜む、悩ましい・・・

【2014年の追記】
当時、なんでモペットに拘り始めたのか、今では全く不明である。だいたい、筆者はバイクには全く縁が無かった。しかし、ヴェスパのスクーターは、デザイン的に好きだったので、その関係かもしれない。ともあれ、この時にモペットまで購入しなくて、ホントウに良かったよ。なお、1999年にモペット、スクーター類がブームになっていたのは事実で、当時専門のムックが相次いで発行され、国内のバイクメーカーも、主としてレトロなデザインの新製品を発表していた。




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