■ GOMZ−LOMO SMENA 8M ■


LOMO LC-A 外観


                                 
 ロシア製トイカメラの代表作として、日本でも極めて有名な製品となっ
てしまった、GOMZ-LOMO社製のSMENA(スメナ)8M、通称スメハチである。
スメハチは、トイカメラブームの先鞭を付けたマシンと言っても過言では
無いであろう。今やネット上の通販はもとより、大手の書店までもが、こ
のスメハチを販売している。しかも、いつ見ても品切れの店が多いので、
驚いてしまう。確かに実売価格6,000円前後という安さと、トイカメラと 
しては出色の写り具合を経験すれば、人に勧めたくなってしまうのは当然
とも言える。                           

 SMENAシリーズの出現は1952年にまで遡る。この年に初代モデルが登場 
してから現在に至るまで、非常に多くの機種が発売されてきた。その流れ
をまとめると、以下のようになる。1952年から1992年の期間中に製造され
たSMENAシリーズの総生産台数は、10,000,000台を越えると想定されてい 
るようである。                          

 Smena     1952 - 1960
 SMENA 2    1953 - 1956
 SMENA 3    1958 - 1960
 SMENA 4    1958 - 1961
 SMENA 5    1961 - 1962
 SMENA 6    1961 - 1969
 SMENA 7    1969 - 1971
 SMENA 8    1969 - 1971
 SMENA 9    1969 - 1971
 SMENA 11   1967    
 SMENA 12   1967    
 SMENA RAPID  1968 - 1971
 SMENA SL   1970 - 1977
 SMENA 8M   1970 - 1993
 SMENA SYMBOL 1971 - 1993
 SMENA 18   1985 - 1993
 SMENA 19   1986 - 1993
 SMENA 35   1990 - 1993
 SMENA STEREO 1970    
                                 
 SMENA 8Mは、GOMZ-LOMO社のSMENAシリーズとして1970年〜1993年の期間
製造された。現在でも製造しているとの噂もあるが、本当かどうかは不明
である。SMENA 8Mは、その前に発売されていた8のデザインを一新したも
ので、軽量化と低コスト化を目指したモデルである。オールプラスチック
製筐体、安っぽいアルミ地にかかれたロゴ、プラスチックの板を貼り付け
ただけの等倍ファインダー、セルフコッキングでは無いシャッター、距離
は目測、露出はお天気マークと、これまでかというくらい安っぽい仕様と
なっているが、妙に憎めない魅力があるカメラだ。          

 その一つに搭載されているレンズの良さがあげられる。T-43と記載され
た40mm、F4のレンズは、噂によるとINDUSTAR製とも言われているが、真偽
のほどは確かでは無い。確かに実際撮影してみると、とてもトイカメラと
は思えないほど良く映る。ロシアでは、製造コストは二の次で、高かろう
がなんだろうが、とにかく現在利用することができるレンズをとりあえず
搭載して製品化してしまった例が少なくないそうで、このSMENA 8Mも、外
観に見合ったレンズを新規設計するよりは、現状あるものを流用したもの
かもしれない。                          

 前述したように、このカメラはセルフコッキングでは無いため、シャッ
ターはチャージレバーにより、その都度チャージしなくてはならない。ま
た、フイルム送りとシャッターチャージが同期していないことから、簡単
に二重露出が出来てしまう。これは面白い効果を出せる反面、気をつけて
ないと思わぬ失敗をやらかしてしまうことになる。必ず「フィルムを巻き
上げてからシャッターを切る」といったようなルールを自分で決めておか
なくてはならない。また、撮影したフィルムの巻き戻しは、シャッターボ
タンを押しながら行うという仕様になっている。この技を知らないと、撮
影したは良いが、どうしたら巻き戻せるのかがわからず、途方に暮れると
いうことになる。                         

 このように、SMENA 8Mは大ブレイクしたカメラであるにもかかわらず、
かなりのクセ物だ。現在のフルオートカメラに慣れきってしまった軟弱な
ユーザが外観の可愛さで購入しても、必ずしもうまく写るものではない。
しかし、一回コツを掴んでしまえば、これほど安上がりで楽しめるカメラ
もそうは無い。日本市場に出始めたのは今から3年以上前のことであるが
根強い人気に支えられて、現在でも品薄状態が続いているショップが多い
そうだ。                             
メーカー GOMZ−LOMO社
モデル名称 SMENA 8M
製造期間 1970 〜1993 年(現在も製造中?)
総生産台数 多すぎて不明
掲載モデルの製造年 1992 年
掲載モデルのシリアル番号 92106621 番
シャッタースピード B、1/15、1/30、1/60、1/125、1/250
搭載レンズ T-43 40mm F4.0
搭載レンズのシリアル番号

GOMZ-LOMO SMENA 8M 正面


GOMZ-LOMO SMENA 8M 上面


GOMZ-LOMO SMENA 8M 背面


GOMZ-LOMO SMENA 8M ロゴのアップ


背面カバーを開けたところ


T-43 40mm/F4.0 レンズのアップ


GOMZ-LOMO SMENA 8M マニュアル表紙


GOMZ-LOMO SMENA 8M マニュアル内部#1


GOMZ-LOMO SMENA 8M マニュアル内部#2


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