リストマーク Panasonic Model JE-1216 (1976年)

写真1.Panasonic Model JE-1216 外観


写真2.Panasonic Model JE-1216 FIP表示管


 松下通信工業株式会社製造の12桁FIP表示電卓、Model JE-1216である。PanacのJEシリーズは、8桁電卓であるJE-800に始まっているが、このJE-1216は既出のJE-802とJE-2601の中間に位置するような製品だ。デザイン的にはJE-802のようにきばったスペースエイジでは無く、どちらかというとJE-2601のような実用的なデザインに寄っている。かといって、全く遊びが無いかというとそうでもなく、本体前面のスロープのような曲線や、楕円形のキーボード等、JE-800も彷彿とさせる演出が残されている。製造年代も、ちょうど両者の中間である1976年となっている。

 表示は12桁の緑色FIP。一番右側の1桁が、記号+エラー表示専用桁となっている。浮動小数点制御はF、0、2、4がレバーで設定可能。メモリ機能を内蔵しており、%演算もできた。

 2電源方式を採用しており、AC100V駆動の他に単二乾電池2本によるバッテリ駆動も可能であった。電源コードは着脱式のもの。定格は、AC100V駆動時は2Wで、単二乾電池駆動の場合は3V、0.7Wとなっている。本体のシリアル番号は電池室内部に記載されており、6X200103となっていた。外寸は17.5×19.5×6cm。

写真3.Panasonic Model JE-1216 本体正面


写真4.Panasonic Model JE-1216 本体側面


写真5.Panasonic Model JE-1216 本体背面


写真6.Panasonic Model JE-1216 本体裏面
電池室のカバーを取り外したところ。


写真7.Panasonic Model JE-1216 本体裏面銘板のアップ


写真8.Panasonic Model JE-1216 本体正面に付いているロゴのアップ


写真8.Panasonic Model JE-1216 キーボードのアップ


 本体内部はTI社製シングルチップ電卓LSIを使用しているため、大変シンプルな構造となっている。TI社のLSIはTMS1273NL。40PinのプラスチックDIPパッケージ製品で、FIPドライバも内蔵している。1976年の32週製造品。FIPはFUTABA製13-BT-04Bという製品で、13桁全てが一つのガラス管に封入されている。この他には、電池駆動とAC電源との制御を行うための電源回路が、基板の約半分を占める。本体内部の部品配置は、既出のJE-2601と瓜二つ。それもそのはずで、使用しているLSIも同じTI社TMS1273NLである。

 電源トランスを本体内部に内蔵しているが、トランスが小さいためさほど重くは無い。基板はベークライト製で、表面に「トランスの取り付けビスを外してからプリント基板をはずしてください。」という注意書きが、和文/英文の2カ国語で記載されている。このフォントが妙に手書きっぽくて良い。

 ロジック基板とキーボード基板とは、透明なフラットケーブルで接続されいる。キーボード基板裏側には、絶縁のための「厚紙」が取り付けており、コスト削減の跡が伺われる。電池室はFIP表示部の後側に設けられている。

写真10.Panasonic Model JE-1216 本体内部
JE-2601と全くと言ってよいほど同じ構成


写真11.ロジック基板のアップ


写真12.演算用LSI、TI社製TMS1273NL
JE-2601と同じ電卓専用ワンチップLSIが搭載される


写真13.基板上に記載された、メンテナンス時の注意事項


写真14.キーボード裏面
厚紙で絶縁処理が施されている。フラットケーブルはロジック基板との接続用。


写真15.FIP表示モジュールのアップ
FIPはFUTABA製13-BT-04B。13桁全てが一つのガラス管に封入されている。



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