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ブレーキマスターシリンダーが逝ってしまった!

写真1.ブレーキマスターシリンダーのプッシュロッド(画面赤枠で囲んだ部分)。ブレーキペダルの奥に出ている。

 ある日、いつものように始業点検を行っていたところ、フロントボンネッ
ト内部にあるブレーキフルードリザーバータンク内の液が異様に減っている
ことに気がついた。ブレーキフルードは滅多なことでは減るもんじゃないが
この日は半分近くにまでなっていたのだ。各ホイールのブレーキホースを点
検したが、漏れは見当たらない。またフロントボンネットの下に潜って、マ
スターシリンダーをチェックしてみたが、ここでも漏れは発見できない。 

 そこで、チンクェチェントを5台乗り継いだ猛者、流しの整備士であると
ころのRandy氏に電話で症状を話してみた。すると、ブレーキペダルの
奥にあるプッシュロッドのパッキンから漏れている可能性が高いとのこと。
さっそくブレーキペダル奥の内装を剥がしてみると、ビンゴ。プッシュロッ
ドのパッキング部分から、じわりじわりと液が漏れているのがわかった。 

 このまま放置しておくと、ブレーキフルードが完全に抜けてしまい、ブレ
ーキが効かなくなってしまうのは確実なので、さっそく修理に出す。とりあ
えず、漏れの量は少ないので、修理工場に持って行く間に抜けるといった心
配はなさそうだ。聞く所によると、チンクェチェントの場合、このプッシュ
ロッドのパッキン破損によるブレーキフルードの漏れが、症状としては最も
良く見受けられるものだという。                   
写真2.今回の修理で交換した部品。左からブレーキマスターシリンダー、ブレーキパイプ、ブレーキフルードリザーバータンクの3点。

写真3.漏れを生じていたブレーキマスターシリンダー。長年使い続けてきたため、劣化してサビで真っ赤になっていた。

写真4.交換したブレーキフルードリザーバータンク。購入時から付いていたものだが、タンク壁面は曇ってしまい、ブレーキフルードがどのレベルにあるのかがわかりずらかった。

 今回の修理は、チンクェチェントの専門店にお願いした。ブレーキマスタ
ーシリンダーのパッキング破損は、かなりの確率で発生するそうだ。特にブ
レーキ操作が乱暴だと、早くて半年くらいで漏れが発生するケースもあると
のこと。ユーザによっては国産製品に変えたりする人もいるそうだが、バラ
ンスを考えるとオリジナル純正を付けておいたほうが良いとのことだった。
パッキングのみを交換するという方法もあるが、寿命の問題と作業工賃から
アッセンブリ全体を新品に交換した方が有利であるとのことだったので、こ
の際マスターシリンダーをリニューアルすることにした。        

 また、ブレーキフルードリザーバータンクもついでに交換した。購入時に
付いていたものは、容器の外壁が曇ってしまい、どれくらいの量が入ってい
るのかがすぐにわからなかったためだ。性能的には問題無いのだが、気持ち
悪いので変えておくことにした。                   

 実際に交換作業を行ったところ、フロントブレーキパイプからも漏れが発
見されたため、この部分も新品のパイプに交換した。今回のブレーキ修理に
関わる費用は、下記の通り。                     

 ・マスターシリンダーASSY(500F/LHD) 10,000円 
 ・ブレーキスイッチ                 2,000円 
 ・ブレーキオイルタンク(F/L/R用)       3,800円 
 ・ブレーキタンクホース(50cm)           500円 
 ・フューエルホースバンド(2個)            500円 
 ・フロントブレーキパイプ(凸凸)          2,500円 
 ・ブレーキオイル(0.5リットル)         1,000円 
 ・ブレーキ修理作業工賃一式            15,000円 
  総 計                     35,300円 

 今回はブレーキフルードの異常な現象が、故障の発見につながった。改め
て、こういった古い車での始業点検の重要性が認識できた。いつもと異なっ
た状況を発見した場合、すぐに調査してみることが重要だ。       
写真5.交換したブレーキマスターシリンダーASSY。フロントボンネットの下から覗き込んだ写真。中央に見える銀色のシリンダーがそれ。

写真6.交換したブレーキフルードリザーバータンク。フロントボンネット内部に置かれているもの。これならブレーキフルードの量がすぐにわかって便利。

写真7.一連の修理が完了したチンクェチェント

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